北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1691】Coche Dury Meursault 1999

 
コシュ・デュリ ムルソー 2010
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 そして本日の大将ワイン、ムルソー
 
 まず見た目。意外と黄緑色をしている。かと思いきや、やがて山吹色に変色していくんだけど初手は黄緑色。香りは、大理石と石灰がむせかえるように匂う。蜂蜜がドッカンするムルソーというより、ピュリニーモンラッシェ系の特級みたいな香りだ。
 
 口をつけると、意外なほど味は爽やかで活き活きしている。こってりコテコテ系のムルソーというより、ある面でマコンのように瑞々しい瞬間があって、ムルソー押し通しという感じではない。少なくとも、ムルソーを意識させるような新世界系ワインとはぜんぜん違う。
 
 この日、このムルソーのボトルが2本あって、2本目は顔つきがちょっと違って山吹系&ふっくら系。こちらはいかにもムルソー然とした熟成ジュクジュクの姿。ワインはボトルによって熟成速度が違うというのをまざまざと感じた。40分ほど放置していたら、焼き林檎や鼈甲飴のようなもの凄い香りがブワーっと吹き上がってきて目をむくような驚きがあった。これでムルソーの「村名格」で「一級」ではないのだから、一級に異常な値段がついているのもなるほどという気はする。これは個人じゃ買わない&買えないなあ、このお金があったら他のワインに突っ込みそう。ともあれ、貴重な体験となった。
 

【1690】Jerome Prevost Extra Brut - Rose La Closerie fac-simile (N.V.)

 
NV ジェローム・プレヴォー ファク・シミル ロゼ ラ・クロズリー
 
 久しぶりのレア路線シャンパーニュ、しかもロゼ。
 
 まず見た目。泡立ちが生ビールのようにモコモコで、ほとんどオレンジ色の色合いをしている。香りは、初手では煮豆-サクランボ路線。ロゼ一般にありがちな柑橘類っぽい風味からはだいぶ離れている。
 
 口をつけてみると、煮豆&さくらんぼに桜餅の風味が加わった。うん、このロゼは煮豆と桜餅がえらく匂う。酸は非常にしっかりしているけれども飲み心地はソフトでホッコリする。このワインはピノ・ムニエがたっぷりらしいけれども、モコモコっとした感じはせず、背筋がしっかりしていてエレガントだ。それでいて物腰柔らか。面白いところで調整がとれているロゼだった。
 

【1689】Danae Fiano Wartalia 2016

 
ダナエ フィアーノ ワルタリア
 
 今日の夕食は春鰹中心の魚系料理。さっぱり系の白ワインがお似合いだけど、なんとなく南イタリア系の白が欲しくなったのでこいつをぶつけてみた。久々の土着品種、フィアーノ。
 
 まず見た目。少し気泡の混じった、薄金色の色合い。香りは、飴~蜜を思わせる凄く甘いやつが来た後に、炭酸系のスカッとしたすがすがしさを伴った、スイカズラみたいな匂いが追いかけてくる。両方が合わさって、なかなかに美味そうなフレーバーだ。
 
 口をつけてみると、レモンスカッシュのような強い酸が来る。シャブリみたいな酸ではなく、サルディニア島の白ワインみたいな粗い酸味。でもこういうのは嫌いではないので(たぶん、嫌いな人は嫌いだろうけど)ぜんぜんいける。というか、カンパーニャ州の白ワインらしいつくりで安心する。

【1688】 Joseph Drouhin Bourgogne "Laforet" Pinot Noir 2015

 
メゾン・ジョゼフ・ドルーアン ラフォーレ ブルゴーニュ ピノ・ノアール
 ※リンク先は現行ヴィンテージです

 このワインは、ブルゴーニュ大手、ジョセフ・ドルーアンの印が入っている平格ブルゴーニュ。ただし、こいつは価格がやけに安く、しかもスクリューキャップときている。「こんな価格で、平格ブルゴーニュらしい味って出せるの?」と疑問が湧いてくるけれども、買ってしまったから飲んでみるしかない。
 
 まず見た目。若干薄めでグラスの辺縁が透明な、いかにも平格ブルゴーニュって感じの色。香りは、葉っぱ付きのベリー系果実とでもいうような、なんか若々しそうな匂いがする。それと、少しだけイチゴミルクの匂いも。
 
 口に入れると、香りを反映したような味がする。とにかく、ベリーが感じられるだけでなく、微妙にオーガニックというか、葉っぱっぽさを伴っているのが特徴。めちゃめちゃ若いつくりなのか?時折、口をすぼめたくなるすっぱーい味も混じる。それでいて、妙にコクのある味がする瞬間もあって、不思議なワインではある。
 
 飲み進めると、葉っぱ付きっぽかった風味が微妙に腐葉土っぽい雰囲気に。認めていいのかわからないけれども、まるで、少し熟成したピノ・ノワールのようだ。このヴィンテージ、この格付けで、この感じはあり得ないと思っていたけれども、いくらかそれに類するところがあって驚いた。大手が作った量産型の分際でこれはびっくり。ううむ、たまたまヴィンテージが恵まれていたとかそういうのか?明日、きっと酸っぱくなってはいるだろうけれどもまた飲んでみよう。
 
 ※翌日。おお、いくらか持ち堪えた!酸味は増えたけれども、腐葉土系の風味はむしろ増しているぐらい。美味いじゃないか!普段呑みのブルゴーニュ平格としては合格点、これで十分。
 

【1687】Jean Marc Boillot Bourgogne Blanc 2015

 
ドメーヌ・ジャン・マルク・ボワイヨ ブルゴーニュ・ブラン [2015]
 
 出先で遭遇した、ブルゴーニュの平格白ワイン。見た目は、まずまず輝きを帯びた黄色っぽい色彩で、意外に派手さがある。香りは、蜂蜜のような香りがまず感じられるけれども、その後ろから酸っぱそうな予感を漂わせた、レモンや台所洗剤みたいな匂いがこみ上げてくる。
 
 で、口に入れると、まさに予想どおり、さっぱり・キリリとした飲み口のシャルドネ。ただし、痩せて酸っぱいだけの代物ではなく、酸味に甘みがちゃんとついてきている。雑な感じも感じられない。リッチではないにせよ、端正でバランス感覚に優れた白ワインだ、食事のお供としても単体の飲み物としてもぜんぜん合格レベル。「こういうのでいいんだよ。」的なやつ。
 

【1686】Hugel Gentil Alsace 2016

 
ヒューゲル ジョンティ
  
 暖かくなってくると、アルザスワインが呑みたくなってくる。で、これは大手ヒューゲルが作っているベーシッククラスの白ワイン。長らく呑んでいなかったのでちょっと楽しみ。
 
 グラスに注ぐと、これ以上ないぐらい透明で色の薄い白ワイン。かなり緑色がかっている。これだけ薄く、緑色がかった白ワインは決して多くないのでは。香りは、ヨモギ系のハーブっぽい匂いと台所洗剤みたいな匂いが混じり合って立ちのぼってくる。悪く無いぞ。
 
 口に入れてみると、なんだか穏やかな飲み心地。リースリング種由来とおぼしき苦みもあるけれども、それを他の品種(たぶん、シルヴァネール種)が薄めているためか、それほど強く感じられない。えらく繊細・細身なワインで酸味も乏しく、人によっては全然評価しなさそうなワインだけど、普段っぽい夕食には苦も無く合ってくれた。
 
 ※翌日も、同じく控えめなワイン。でも疲れた日にはこの路線のほうが高評価かも。使いどころさえ間違えなければ、十分価格にみあった品だと思う。