北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1790】Altos Las Hormigas Colonia Las Liebres Bonarda 2015

 
コロニア・ラス・リエブレス ボナルダ [2017]
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、アルゼンチン産のメンドーサ種でつくられている赤ワインとのこと。正直、アルゼンチンもメンドーサも親しみがあまり無いのだけど、このワインの2015年産には「パーカーポイント90点」という触れ込みがついていたので、じゃあ、一応飲んでみますかと買ってみたもの。美味いかどうかはともかく、パーカーポイントなる尺度を知る手掛かりになればいいなとは思う。
 
 まず見た目。とにかく黒々、不透明。赤ワインは赤色とも黒色ともいわれるけれども、これは明らかに黒寄り。ここまで黒を連想させるやつはあまりない。香りは、梅系のやつがツーンと来たあとに鼈甲飴のような甘くてちょっとくどい香りがふんわりと。それから少しプロパンガスっぽい、くせのある匂いも来る。この匂い、確かに高級赤ワインに時々みられるやつではある。
 
 口に入れると、なんとも鉄血系の風味が。甘さは控えめでタンニンはしっとりしていて攻撃的ではない。口に入れた最初の瞬間は強烈に鉄っぽいこってりした味がするけれども、余韻はボルドーの若いカベルネのように落ち着き払っていて、タンニンと鉛筆が印象に残る。品種と産地の影響なのか、あまり経験したことのない飲み心地だ、特に鉛筆の風味が長く残るのは面白い。肉厚であり、風味もなかなか。この価格帯としてはよくできている。
 
 ※二日目は、なんとベーコンのような匂いが。これは驚いた。鉛筆っぽさも健在。ううむ、こういうのを飲むとパーカーポイントというのもあてにしたほうがいいのかな、と思ってしまう。
 
 
 

【1789】Barons de Rothschild Bordeaux Private Reserve Blanc 2017

 
ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトプライベート・リザーブ ボルドー・ブラン [2017]

 このワインもバロンドロートシルト系列のあまり高くないやつ。で、ボルドーの白。ボルドーの白、特に安いものは好みではないので割と消化試合の予感がする。はたしてどうだろう。
 
 まず見た目。果てしなく透明、ほんの少しピンク色がかっているかも?いや、そんなことはないか、とにかく薄い白ワイン色でソーヴィニヨンブランっぽい色合い。香りは、少しだけ草っぽい匂いがふんわりと来る。ちょっと冷えすぎていたせいもあるかもしれないけれど、匂いのスカラー量は小さい。
 
 口に入れると、桃缶+すだち系すっぱみ。でもって、香り同様の草っぽさが爽やかさを添えていてなかなかに美味い。へんに酸味が出張るでもなく、甘ったるいでもなく、とてもバランスの良い滑り出し。軽いワインだけど、上品だ。ええっそういう路線なの? と驚いた。飲み進めてもなかなかダレずに一定の緊張感がある。これはちょっと見直した。
 
 ※翌日はさすがに安物ソーヴィニヨンブランに転じた。でも初日の頑張りっぷりはあっぱれなもの。夏にみんなで飲むならアリだと思う。
 
 
 
 

【1788】Los Vascos Cabernet Sauvignon 2016

  
ロス・ヴァスコス・カベルネ・ソーヴィニヨンチリ 赤ワイン
 
 このワインは、チリ産のカベルネ・ソーヴィニオン。価格も標準的なので、普通にチリ産らしい味がすればそれで良しということで。
 
 まず見た目。あまり青色がかっていない、むしろちょっと茶色っぽいぐらいの赤ワイン色。暗くて黒っぽいけれども透明度はある。香りは、墨汁、木材、その後に杉の入浴剤と赤果実とチョコレートのような香りが来て、とりあえずリッチではある。鼻腔いっぱいに墨汁が広がる!
 
 口にはこぶ。おお、すんごい果実味。炸裂する果実味、そして墨汁。渋みはこの系統のワインとしてはやさしめで、ふっさふっさしているが攻撃的ではない。甘味の強さはさすが新世界のカベルネという感じながら、はしゃぎすぎるでもなく、そこそこ落ち着きもある。墨汁がインクっぽく変わっていくさまもいい。これはいいチリカベルネ、なかなかやるじゃないか。飲んで面白さのあるチリカベルネだった。
 
 ※翌日はダレて普通のチリカベルネに。初日は頑張っていたので文句いいっこなし。
 
 
 

【1787】Gramenon Vinsobres "La Papesse" 2016

 
ドメーヌ・グラムノン / ヴァンソーブル ラ・パペス
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、愛好家の人からオススメされた、グラムノンというドメーヌがつくっているローヌ産のワイン。品種はグルナッシュながら、土地の名前が書いてない。で、このワイン、陶器で封がしてある! 強引にスクリューを入れるか、陶器をはがしてからスクリューを入れるか迷い、はがすこととした。このはがす過程と抜栓のため、ボトルを激しく揺らしてしまった&ほんの少し陶器がワインに混入してしまったかもしれない。
 
 気を取り直してグラスに。すごく不透明で黒々としたワインレッド。でもって、ワインのあしがすごく長い。べっとべとのワイン。不透明な理由の一端は、抜栓する時の騒動のせいかもしれない。
 
 香りは、梅系お線香がブワーっとこみ上げてくる。ただ、線香に徹しているのでなく、葡萄ジュースから臭みを抜いたような、洗練されたジューシー果実の匂いが来る(葡萄味のチューインガムの匂いにも似ているかも)。それとニスとかワックスとか、そういった石油系の有機物の匂いも伴っている。
 
 口に入れると、きっついタンニンとともに濃くてまったりとした果実味。粒度のある舌触りとふっくらとした甘味を伴い、鉱質風味……マグネシウムっぽい鉱質感が初手からびんびんに来る。これは貝殻・石灰系ではなく、マグネシウムとかカルシウムとか、土類金属っぽいと言いたくなるやつだ。そういう上部構造の下部構造として、梅のごとき酸っぱさがしっかりと味の土台をつくっていてバランスがとれている。タンニン由来か、スパイシーな刺激がぱちぱちと唇を刺激するところもある。
 
 ヴィンテージが2年しか経っていないので全然ダメかと思いきや、初手から魅せてくれるので驚き。
 
 ※翌日は、もう少し落ち着いた雰囲気のワインになって、少し森の下草っぽくもあり、少し鉄や血のニュアンスが感じられるようになってきた。これもまあ、悪くはないんだけど初日のほうがパーッと派手だった。
 

【1786】Domaines Barons de Rothschild Aussieres Blanc Chardonnay 2016

 
【ドメーヌ ド オーシエール】 オーシエール ブラン [2016]


 このワインも、最近飲みまくっているバロンドロートシルトシリーズのひとつ、南仏産のシャルドネ。チープなボトルに入っているのでまったく期待せずに抜栓。
 
 色は、わりと標準的な白ワイン色、というかシャルドネとして標準的。香りはあまりしない。しいて言えば植物の茎のような匂いが強いかも。蜂蜜とか、そういうのは来ない。
 
 口に入れると、桃の缶詰みたいな甘さ、洋梨みたいな甘さ、それから茎っぽい匂いと繋がりのありそうな植物っぽい苦み。呑み慣れてくると、フルーツの風味が強まって茎っぽさは少しずつ遠のく。なんとなく石鹸みたいな匂いも漂ってきた。このワイン、辛口仕立てではあるけれども糖度が高いんじゃないだろうか。ぽってりとふくよかでフルーツ満点、酸味がちょっと弱い点をのぞけば、南の地方の安シャルドネとしてはよくできているかも。
 
 ※翌日も、まあその、南の地方の安シャルドネの王道を行くような展開。それだけに、チリあたりの安シャルドネとの差別化みたいなものはあまり感じられず、一本調子なことも手伝ってちょっと飽きてきた。
 

【1785】Domaines Barons de Rothschild Bordeaux Private Reserve Rouge 2016

 
ドメーヌ バロン・ド・ロートシルト プライベート・リザーブ ボルドー・ルージュ [2016]

 このワインは、先日飲んだバロンドロートシルト系の赤ワインと非常に似た名前の品。先日と違って、こちらは「プライベートブランド」だそうで、ヴィンテージも同じ2016年。果たして違いなんて感じられるんだろうか。
 
 まず色。濃い赤ワイン色で黒々と不透明、ただ、先日のワインに比べるとカラースペクトルが僅かに茶色側に寄っているかもしれない(というより先日のワインが青紫色に近かった)。香りも、こちらはバニラっぽい樽系の香りが幅を利かせていて、チョコレートっぽくもある。その後になって、インクや墨汁っぽい匂いが追いかけてくる。
 
 口に運ぶと、初手からインクがいっぱい!でもって甘さ控えめな果実ジュースがどばーっと来た。酸味がしっかりしていて、甘味はなくても果実味にフレッシュさが感じられる。それと血っぽさとインクっぽさが初手からかなり強い。ミルキーな舌触りと落ち着きを持っていた先日のバロンドロートシルトと違って、このバロンドロートシルトはいきなり鉄血でフレッシュ。それでいて、鉄っぽさのせいかミネラルでも潜んでいるのか、意外に骨格がちゃんとしていて飲み応えがある。想定していたよりも飲んでつまらなくないワイン。良かった。
 
 ※二日目はもうちょっと穏やかな、いかにも平格ボルドーという雰囲気に近づいた。それでもまだまだ骨格はちゃんとしている。安いなりに頑張ってつくられていると思った。