北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1802】Charles Drapier Beaujolais Villages Nouveau Special Cuvee 2018

 
vinica.me


 このワインは、2018年のボジョレーヌーボー。ふとしたご縁があっていただくこととなった。どうやら、セブンイレブン、イオン系列で取り扱っているものらしい。ボジョレーヌーボーは久しぶりなのでちょっと楽しみ。
 
 まず見た目。やや青色側に寄った、ちょっと蛍光っぽさを伴った赤ワイン色。液面に泡が発生した時、それなり紫ピンク色をしていてまずまず色は濃い。もっと薄いかと思っていた。香りは、昔のケーキ屋のケーキの上に載っていたイチゴ風の朱色のお菓子のような、チープな甘い桜系の香り、その奥からさらにフレッシュなサクランボのような香りが漂ってくる。ヌーボーとしては上等なんじゃないか。
 
 口に入れてみると、若いサクランボみたいな酸味がそれなり来て、やや水っぽいものの、「軽くて酸っぱい赤ワイン」としては意外にもまともなつくりで、後味にはアルカリ土類金属っぽさすらある。タンニンは最小限、赤ワインの苦手な人でも飲める赤ワインとしては出来栄えはなかなか良いのでは。美味い、と言ってしまって良い部類だと思った。

【1801】Robert Mondavi Private Selection Cavernet Sauvignon 2015 (ハーフボトル)

 
ロバート・モンダヴィ プライベート・セレクション カベルネ・ソーヴィニヨン
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。また、フルボトルです。
 
 久々の定番カリフォルニアワイン。見た目は大層黒っぽい赤紫色で、透明度は低い。香りは、初手から煮豆のような甘ったるい匂いがこみ上げ、そこにバニラエッセンスをまぶしたような。きわめてアメリカンな赤ワインという風情。
 
 口をつけると分厚い果実味にびっくり。なんとも力強い。杉っぽいエキスとか色々あるけど、まずは果実がどっかりと。とても元気で、分かりやすい。ワインとしての深みはともかく、うまさで直球勝負! という感じがして好感が持てた。ボルドーならともかく、カリフォルニアの量販型の赤ワインでこれに文句つける筋合いはありません。
 

ワインの記録が1800回を超えた

 

 
 今回でワインの記録は1800回。ここまで来ると保守的になるというか、自分の好みがだいぶ見えてきたせいで御用メーカーが絞れてきた感じがある。「もうわかったよ」という感覚が「知らない世界を知りたい」よりも勝ってしまう堕落した100回だったと思う。とはいえ、同じワインばかりアップロードしてもなんなので、今後は御用メーカーのワインをときどき省略し、一ヶ月あたりの投稿数を減らす、かもしれない。
 
 とはいえ、御用メーカーができあがること自体は進歩なので、今回は、ここにまとめてみることにした。このワインログなんて見てる人は少ないとは思うけれども。
 
 ボルドー(週末級)
 シャトーラネッサン:ちゃんとしたボルドー。手堅い。こいつはリピートしてもいい。
 
 シャブリ(週末級)
 ドメーヌ・ウィリアム・フェーブル:ドメーヌ、という但し書きのついたここの平格シャブリは安いとは言えないけれどもハズレが無い。でもって、毎年のヴィンテージで顔つきが違っていて基準ワインとしても信頼がもてる。格下のメゾン・ウィルアム・フェーブルも悪くないけれど、クオリティには歴然とした差がある。ここのシャブリ一級も面白い(好みではないけれども)。売っている店も多いので買うのにあまり困らないのも◎。
 
 
 ブルゴーニュ
 ミシェル・ラファルジュ:価格とクオリティを考えると、たぶんヴォルネでも最高レベルのメーカー。いや、他だってそりゃあいいですけれども、移ろいやすいヴォルネのなかでは、安定性はここが一番じゃあないか。週末級の、平格ブルゴーニュ赤も旨い。安い……とは言わないけれど、高騰するブルゴーニュのなかではヴォルネらしさを大切にした、それでいて安定性を有するありがたいメーカー。
 
 コント・ラフォン:まあ高いんだけど、白のめちゃくちゃな値上がりに比べると、ここの赤ワインの良さはまだ注目されていないほう。たくさん買って、地面に埋めて10年ぐらい待ってみたい。
 
 ジョセフ・ドルーアンとフェヴレイ:お手頃平格ブルゴーニュでは、頼りになる。イオンに売られていることもある。気取らないけれどもブルゴーニュ
 

 ブルゴーニュ
 
 エチエンヌ・ソゼとドメーヌ・ルフレーヴとコント・ラフォンの白:高い。素晴らしい。実績もある。でも高いからなるべく買いたくない。でも買いたい。高嶺の花。
 
 ルイ・ラトゥール:下っ端はヴィンテージが悪いとつまらないが、上位陣は見劣りしない。ここの赤はあてにならないが白の中堅以上はあてになる。白の中堅以上についてはわりと教科書的なのでは?
 
 ボジョレ
 マルセルラピエール:モルゴン系列はすごくいい。こってりしている。がぶのみモルゴンですらなかなかのもの。
 
ローヌ
 この地域のワインは全体的にハズレが少ない。ギガルの平格だって旨い。価格とクオリティのバランスでは各メーカーのジゴンダスが好みで、常時4本ほど待機させておくと幸福度があがる。

アルザスシャンパーニュ
 大手で構わないのでは?追いかけるのをあきらめた地域。


 ランブルスコ
 カビッキオーリ・ランブルスコ・アマビーレ:価格とクオリティを考えると、甘口はこれが突出していると思う。他は別に飲んでも飲まなくても。辛口は、メディチ・エルメーテのコンチェルトが手堅いけれども値段がやや高い。発泡赤ワインとしては、価格なりのものはあると思う。
 
 トスカーナ
 ミケーレ・サッタ:値段の割にはちゃんとしている。赤のピアストライアが特にいいけど、白も美味いし安い赤も美味い。ミケーレ・サッタはボルゲリ地域の良心だと思う。
 キアンティ・クラシコ系なら、中堅ならフォントディのキアンティクラシコか、フォヌテヌトリのキアンティ・クラシコか。安物ならグラーティのキアンティ・ルフィナか。ポッジョピアーノのワインも割とお買い得。
 
 アマローネ
 マァジとその眷属のヴァイオ・アルマロンはいい。コスパのいいルイジ・リゲッティ、品質の優れたアッレグリーニは信用することにした。テデスキも良かったはずなのに今はなかなか売ってない。アマローネよりも格下のヴァルポリチェッラ・クラシコは、アッレグリーニなら買ってもいいかも。
 
 ソーヴェ
 ピエロパンとアンセルミが指標。イナマ、ジーニもまずまず。でも価格とソアーヴェらしさを考えるとピエロパンが一番やさしい。もしピエロパンの品が合わないなら、たぶんソアーヴェ系自体が合っていないので二度とソアーヴェ系を買わないのがいいような気がする。
 
 サルディニア
 安物ならセッラ・エ・モスカ。いいやつはアルジオラス。飲める1000円台のワインはサルディニア島に結構ある。無名なのはありがたい。シチリアよりお得。

 ヴェネチア・ジューリア州
 少し値段があがってきたけどイエルマンは安心。安くあげるならストッコ、ただし安いので安いなり。この州でしばしば作られるへんてこワインのなかでは、エディ・カンテが私の御用達。いろいろ飲んだなかではカンテが一番安定している。
 
 そのほかの地域
 イスラエルのゴランハイツワイナリー:そのほかの地域のなかでは、ほとんど無敵。中東情勢の関係で入手できなくなったらがっかりしそう。カリフォルニアワインはだいたい買って後悔しないけれども、価格とクオリティがだいたい比例していてわざわざ買うかといわれると迷う。
  
 
 以上が、うちの定番たちだけど、ここから意識して定番を外したワインに冒険してみたいかな、とも思う。来年はもっと知らないワインを買ってみたいところ。
 

【1800】Chateau de Fonsalette Cotes du Rhone Rouge Reserve 1996

 
コート・デュ・ローヌ シャトー・ド・フォンサレット
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 さて、続いて入手性に問題のあるローヌのワインを。見た目は例によって黒っぽくて濃い赤ワインなのはさておき、香りはすごく紫色。よくイタリアのキアンティ系に「ヴァイオレット」という比喩をこのワインログではよくするけれど、こいつは紫色の染料の固まりかと思うような強烈な香りがずばりと差し込んでくる。そこに、桐のタンスのようなかぐわしさが加わって強烈。味はジャムをぐじゅぐじゅにしたような濃厚な果実味、それはローヌ系ならありがちなんだけど、トマトやコンソメスープみたいな野菜の味がぐわーっと盛り上がってきて面白い。派手に暴れている割には重さも感じず、それでいて食べるようなワインでもある。もうこれだけでおなかいっぱい。さすがに面白いワインであるな、このワインはほかのローヌのすごいワインに比べると量産性に難があるのでなかなか口にできないけれども、秀逸なワインなのは明らかだった。
 

【1799】Simon Bize Savigny-les-Beaune 1er Cru Aux Vergelesses Blanc 2005

サヴィニ・レ・ボーヌ オーヴェルジュレス 1er シモンビーズ 2005
※リンク先はヴィンテージが異なります

まず見た目は黄金色の白ワイン。平格のブルゴーニュ白のいろではないでしょう。香りはローソク主体でつん、としている。どういうつもりなのか。
 
 口に含むとミネラルがしっかり、でもって酸味はあるけれどもでしゃばるでもなく、甘味や果実味で押してくるわけでもなく。ブルゴーニュの他の白ワインたち、たとえばムルソーだとかピュリニだとかとは違うし、かといってマコンほど酸っぱくない、ミネラルがあるからといってシャブリの1級ほどミネラル責めというわけでもない、すごく不思議なバランス。また、樽熟成のはずなのにステンレスタンク熟成かと思うほどバニラが来ない。えらくさっぱりとしたところがある。
 
 それでも、飲み進めると蜂蜜やザラメの風味が混み上がってくるからすごい(温度が上がってきたから?)。わずかにメロン風味が出てきたのはあまり好まないけれども、これは暖め過ぎたせいかもしれない。これは面白いブルゴーニュ。サヴィニ・レ・ボーヌの面目躍如。

【1798】Villa di Vetrice Chianti Rufina Riserva 2009

 
キャンティ ルフィナ ヴィッラ ディ ヴェトリチェ リゼルヴァ 2009 グラーティ

 これは、イタリアはトスカーナ地方の隠れ名醸地・キアンティ・ルフィナ地方では結構おいしいワインをつくっているヴィッラ・ディ・ベトリーチェのもの。しかも2009年のリゼルヴァモノとくれば期待が膨らむというもの。このメーカーのキアンティシリーズは(知名度の高い)キアンティ・クラシコ系に比べて割安なのだけど、近年、じりじりと値上がりしているようにみえる。
 
 グラスに注いでみると、かなり茶色っぽいワインレッド。赤茶色にも近い。でもって、香りはツーンとした梅香はそこそこに、キアンティ系にありがちな軟膏めいた柔らかい香り、おはぎ、そういった香りがぷんぷんとこみあげてくる。
 
 口に入れると、久しく忘れていたキアンティ系(サンジョベーゼ系)の味わいが炸裂!意外にタンニンが残っていて元気は良い。少しバターっぽい風味を帯びた果実味に、キアンティ系らしい、スミレに例えられることもある例の独特風味が加わってすこぶるうまく、国際品種な赤ワインたちとは趣が違う。でもって、ところどころ雨の降ったような匂いがよぎることがあって、なかなか気が利いている。それなりの年齢なのにあまり年を取っているという感じがしなかった。
 
 ※翌日も元気いっぱい。スミレっぽいキアンティっぽさも健在、どこかミルキーでのどごしが良い。キアンティ系、やはり捨てるには惜しい。