北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1840】Sileni Estate sparkling Cuvee Sauvignon Blanc (N.V.)

 
シレーニ セラーセレクション スパークリング ソーヴィニヨン ブランNV
 
 今日のワインは中華料理に適当に付き合ってもらうもの。で、適当に泡モノを買ってきてみたら、中味をよくチェックしなかったのでソーヴィニオンブランでつくられたスパークリングワインに当たってしまった。
 
 色はかなり薄めのスパークリングワインながら、泡立ちは抜群、きめの細かな泡がたっぷりとたちのぼる。香りは、黄桃と白桃とマンゴーを思わせるこの品種らしいやつ。
 
 口をつけると、香りはトロピカル、味はさっぱり。直球にソーヴィニヨンブランしている。酸味の隅々にまで青々しいフレーバーがこもっている。うん、悪くない、悪くないし中華とも良い相性だとは思う。だけど、今日はもっと普通の(それこそシャルドネあたりでつくられた)スパークリングワインが欲しかったのだった。想定外のチョイスだったので少し悲しくはあった。良い品だとは思う。

【1839】(株)岩の原葡萄園 深雪花 (N.V.)

 
岩の原葡萄園 深雪花
 
 このワインは新潟県上越市でつくられているという、日本産白ワイン。シャルドネに独自の品種を混ぜてつくられているとのこと、一体どういう味がするのか見当がつかない。
 
 まず、色。かなりグリーンがかって薄い白ワイン色。このグリーンっぽさが目を惹く。面白そうじゃないか。香りを点検すると、なんとリンゴとスイカズラ系の花の香りがどーんと来る。あとは藤の花、そういうのを連想させる。すごい花っぽい香りが強くてシャルドネ離れしている。ある部分では、カンパーニャ州の土着品種、グレコやフィアーノのスイカズラ系をパワーアップさせたようなところも。
 
 口に含むと、えらく水っぽいしゃばしゃばとしたワインながら、例の花のフレーバーが染み渡るようで悪くない。このしゃばしゃばっぷり、安イタリア白ワインに匹敵するのだけど、香りのおかげで繊細なところで飲めるレベルにまとまっている。酸味は、このワインに似合いの強度、ソアーヴェ系ぐらい。でもソアーヴェと違って花のフレーバーが命といった感じ。
 

【1838】Hospices de Beaune Volnay Premier Cru Cuvee General Muteau 2011

 
オスピス・ド・ボーヌ ヴォルネイ プルミエ・クリュ キュヴェ・ジェネラル・ミュトー [2011]
 
 このワインも、ウメムラさんの福袋から生まれてきたやつ。オスピス・ド・ボーヌの名で、ヴォルネ一級、でもってヴィンテージが2011と弱め。さてどうなることやら。
 
 まず色。かなり赤茶色がかっていて薄め。まさにヴォルネ、といった感じの濃いロゼに寄った色合い。香りは、初手から非常にトーンが高い。バローロバルバレスコとかにもありがちな、すごく偉そうな香りがツーンとする。森の生物といった雰囲気もある。熟成しました!といった雰囲気。
 
 口に運ぶと、まず口当たりの軽さに驚く。驚くけどヴォルネってのはこういうものだから軽くて構わない。ただこのワイン、やけに苦みがある。苦り、とでもいえばいいのか。苦い。それと果実味にニスや水あめが絡みつくようなところがある。そのくせ、後味がえらく軽い。ヴォルネは軽くてもいいけれども余韻が短いのは感心しない。このあたり、ヴィンテージの弱さが出ているんじゃないか?
 
 ところがどっこい、そこからだんだんスパイシーな舌触りになってきて面白くなってきた。森の生物って雰囲気がどんどん増して、精気が高まっていく。同じ2011年のダンジェルヴィーユに似てきたというか。若干果実味が強化されて、まだまだ余韻が軽いという欠点はあるけれど、そのおかげで森の下草っぽさやスパイシーな雰囲気が捉えやすいのかもしれない。完全なヴォルネ一級ではないけれども、オフヴィンテージなりの魅力があるように思えるワインだった。
 
 ※二日目。香りがはっきりと弱くなってしまった。このワインは初日のうちに飲んでしまったほうが良いと思う。
 

【1837】M.A.N. "Warrelwind" Sauvignon Blanc 2017

 
www.vivino.com
 
 このワインは南アフリカ製のソーヴィニヨンブラン種の白ワイン。あまり得意な品種ではないけれどもたまにはいいでしょう。
 
 まずグラスに注いでみると、ほのかに黄緑色がかった、色合いの薄い白ワイン。緑色がかっているあたり、この品種らしいなりだと思う。香りは、黄桃と草餅ハーブ系の香りが合体したようなやつで、これもこの品種として矛盾しないものだ。そういう甘い香りをつんざくように酸味を連想させるきつい匂いが顔を覗かせることも。このあたりも割と予定通りという気はする。
 
 口をつけると、黄桃、パパイヤ系のフレーバーがわっと来る。黄桃系のフレーバーはこの品種にありがちだけど、こいつは特にパパイヤを思わせるところがある。ワインに付随するほのかな苦みやエグみみたいなものもパパイヤ然としている。酸っぱくてスイスイのめるなりながら、くどさの裏側にコクがあり、口のなかでワインが膨張するような錯覚を伴っている。なるほど、なかなかいいソーヴィニヨンブランなんじゃないか。
 
 ※二日目はパパイヤっぽさが退いて、飲みやすさが前景に出たかたちとなった。初日の個性ある姿のほうが興味はあるけれど、一般受けがいいのは二日目かも。
 

【1836】Claude Chevalier Bourgogne Pinot Noir 2015

ドメーヌ シュヴァリエ ピノ・ノワール 2015
 
 このワインは、ブルゴーニュの中核地区・コート・ドールのなかではマイナーエリアであるラドワ地区のワインがおいしかった記憶のあるメーカー。で、今まではラドワ地区のワインがそれなり安く手に入ったけれども、最近はラドワも手に入りにくくなったので、もうワンランクジェネリックな平格を買ってみた。
 
 まず見た目。とてもしっかりワインレッドをしていて、ただ、ピノ・ノワールだけあって透明度が高く少し明るい。香りは、革っぽい匂いとヨモギ-草餅系の香りがあい混じって、平格ブルゴーニュっぽくあると同時に(なぜか)カベルネフランっぽくも感じられる。
 
 口をつけると、革っぽさと少し野性味のある甘酸っぱさ(やや青臭くもあり、ともなって新鮮溌剌でもあり、活きた植物を連想させもする)が口に広がり、意外にコクもある。ちょっとコーヒーっぽさというか、もっと格上のブルゴーニュ赤ワインにありそうな、舌の上に手応えを感じさせるところがある。タンニンはピノ・ノワールとしてはそこそこあるほうだけど、渋くて顔をしかめるほどでもなく。ラドワに比べると少し劣るかもだけど、じゅうぶんに楽しめる平格ブルゴーニュだ。
 
 ※二日目。少しコーヒーっぽさが消えて、迫力はなくなった。ただし革っぽさが引っ込んで酸味・果実味がもう少し穏やかな方向にまとまって、飲みやすい雰囲気にまとまった。初日のちょっと荒い面白さも良かったけれど、二日目の穏やかさも捨てがたかった。

【1835】Chateau de Beaucastel Chateauneuf du Pape Rouge 2007

 
赤:[2007] シャトーヌフ・デュ・パプ ルージュ (ボーカステル)
  
 このワインは、ローヌの赤ワインとして信頼しているボーカステル赤ワイン。並みのローヌワインではないことはもう体験済みなので、その実力をとくとみせていただきたいところだけど、2007年というのはこの作り手ではちょっと若い。普通なら十分な歳月だけど、このメーカーに限っていえば少し若すぎるかもしれない。
 
 見た目は赤茶色の不透明な液体。かなり茶色によっていてそれなり熟成していると思いたいところ。香りは、じゅくじゅく果実、ハム、それからじゃこう系の香料みたいなのも来る。先日のアルマン・ルソーほどの華やかさはないけれども、握りこぶしは効いているし、香りや味に香料っぽさが染み渡っていて飲んでいて楽しみがある。時折、果実味がドーン!と押してくる瞬間があり、まだまだ若いご様子。
 
 20世紀につくられた長熟にはさすがに及ばなかったけれども良いワイン。買って寝かしておいて、未来に希望を託すのがいいワインなのだと改めて教わった。