北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1915】Southern Boundary Wines "The Springs" Pinot Noir 2018

 
ザ スプリングス ピノ ノワール 2018
 
 このワインは見知らぬメーカーのニュージーランドの安いピノ・ノワール……と思いきや、コスパの良いリースリングを作っているメーカーピノだったことがたった今判明した。俄然、期待したくなる。ここのリースリングはお値段以上のクオリティがあった。はたしてこいつは。
 
 まず見た目。なんという薄さ!新世界のロゼと言って差し出してもたぶんバレないほど朱色のワイン。ちょっと淡い感じもあってなかなか綺麗。香りは、アセロラ系の甘い果実の香りと、なんだかタンニンを予感させる匂いがするぞ?
 
 口に入れてみると、まさにアセロラっぽい淡い甘さと、ふさふさタンニン!総じて、新世界の安ピノノワールっぽさがある。やがて革のような風味を伴うようになり、ちょっとブルゴーニュ平格っぽい趣になってきたけど、コストパフォーマンスに優れた新世界のピノ・ノワールってこういう展開が多いし、けして嫌いな作風ではないのでじっくりと味わう。このワインはニュージーランド産というけれども、意外と暖かい地域でつくられていたりするんだろうか。なんにせよ、そういうワインとして頂戴しました。
 
 ※翌日は、もっとチリワインぽくなったかも。まずくはないけれども特筆するほどうまいわけでも。

【1914】Chateau du Peuil 2015

 
[2015] シャトー デュ プイユ
 
 このワインは、上記リンク先よりもかなり安い値段で購入したボルドー。つまり、安ボルドーってカテゴリーなわけで、それほど優れていなくていいから、心和むようなワインであって欲しい。
 
 まず見た目。透明度は一応保たれてはいるけれどもかなり暗くて黒っぽい。青紫にも赤紫にもよらない、ちょうど紫色なワインだ。香りは、ピーマンと杉の木と甘納豆といった構成で安ボルドーとしては上出来な部類。
 
 口をつけると、ほんのりと甘みがあって酸味もそこそこ、でもって舌触りのミルキーなワイン。上顎にタンニンがバサバサっと感じられるから苦手な人は苦手かもだけど、タンニンさえ気にならないなら穏やかな飲み心地。安ボルドーの美徳として、クドくないのがとてもいい。もちろん夕食にもよく合う。この値段でこういう品をひいてくると嬉しくなってしまう。
 
 ※二日目。鉛筆・煙突っぽい香りがさらに強まり、カベルネだー!という感じ。飲み心地はトマトや鉄のようなニュアンスが強まって雄々しくなってきた。そういった点も含め、安ボルドーとしていいんじゃないでしょうか。
 

【1913】Leflaive Macon Verze 2012

 
ルフレーヴ マコン・ヴェルゼ 2015
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。
 
 フランスのシャルドネづくりの雄のひとつルフレーヴがつくっている、マコン地域の品。マコンという地域にしては高価だけど、高いだけのことはあるワインであり、流通も良く割と出会うことがよくある。今回は外のお店で唐突にこれが出てきてちょっとびっくりしてしまった。ちなみに直近ではこのときに2009年産と出くわしている
 
 まず見た目。ちょっとグリーンが入っているかもしれない黄色~黄金色。ちょっとグリーンっぽいあたり、マコン地域としてはあってもおかしくないけれどもそういう感じだったっけか。香りは、初手ではメロンっぽい香りがふんわり。メロンの香りは、シャルドネのなかでは南方系のものにありがちで、この地域のシャルドネにしては南っぽいかなぁなどと思ったりした。が、良い香りではある。
 
 味を確かめてみると、さっぱりとした植物系フレーバー主体の口当たり。そこにメロンの香りが差し込んでくる。酸味はちょっと弱いかな?しばらく飲み進めると、ほんの少し、昔の都会の水道水みたいな嫌な香りがよぎったような気がした。このボトル、ちょっとダメージを受けているのかもしれない。酸味が弱くてやたらメロンが強いのはそのせいか。まああとグラスの問題もあったのかもしれない。この日に用いられたグラスはそこそこちゃんと大きなグラスだったけれども、形態はボルドー向きのもので、蜂蜜フレーバーを感じるにはあまり向いていない形だった。だいたいこのワインはブルゴーニュ系グラスで対峙しているから、いつもと勝手が違ったのかもしれない。このクラス・このメーカーのシャルドネでも無条件に花丸というわけにはいかないあたり、やはりワインはめんどくさい飲み物ではある。
 

【1912】Tedeschi Amarone della Valpolicella 2014

 
アマローネ デッラ ヴァルポリチェラ 2014 テデスキ
 
 このワインは、イタリアはヴェネト州コスパの優れたアマローネとヴァルポリチェッラシリーズをつくっているテデスキのアマローネ。テデスキ、いいメーカーなんだけど最近は日本国内の流通があまり良くなくて、見かけたらすぐに保護しなければならない感じだ。このボトルは一年ほど前に保護してとっておいたもの。
 
 まず、ボトルから注ぐといきなり赤茶けた濃い色合いでチョコレートじみている。すごく濃くて、赤茶けた液体。で、香りはいきなり濃密なチョコレート!すんごいチョコの奥から梅とアルコールがばんばん香ってくる。素晴らしいチョコっぷりだ、飲む前からよだれが出てくるぞ。
 
 口に含むと、とびっきり新鮮な果実味がジュワワーっと来た後に、アマローネではお約束の軽い苦み、でもって、ざらざらのチョコレートドリンクみたいな飲み心地が口のなかいっぱいに流れ込んで来る。う、旨い!アマローネに期待したいものに加えて、やけにチョコレート推しな雰囲気で、それでいて後味には果実味の豊かさとチョコレートっぽい甘さとビターがうまく噛み合った余韻が残るのだからたまらない。

 そこから鉄のような、力強い味わいが徐々に高まってきて雄々しいワインになってきた。チョコレートの集中力も高まって、なおかつ森っぽい風味もよぎって驚きの内容。ただしアルコールが16%もあってぐでんぐでんになりそう。アマローネとしては横綱相撲では。良いです。
 
 ※翌日も雄々しい状態が続いてびくともしない大柄・頑丈・派手なワインのまま。すごいパワー。すごいアルコール。品質も確か。とことんアマローネらしいアマローネだった。
 

【1911】Gran Maestro Puglia Bianco Appassimento 2018

 
グラン マエストロ ビアンコ 2018


 このワインはイタリアはプーリア州でつくられている白ワインなんだけど、なんと「アパッシメント」という表記がある。アパッシメントはヴェネト州の根性入った赤ワイン「レチョート」や「アマローネ」を作る際の、果汁を濃縮させる製法。そんなので作った白ワインは知らないので挑戦してみることにした。
  
 まず見た目。ちょっと緑色がかった白ワインの色で、こちらは特徴的でもない。ただ、香りがヤバい。メロンの皮みたいな匂いがするんだけど、それが今までの白ワインたちのメロン系とは次元が違う濃さというか、皮エキス濃縮といった感じがしてすんごい植物オーガニックっぽい。伴って、すごい精気がこみあげてきて、ここに関しては格上の白ワインに伍するものがある。
 
 口をつけると、じわじわとこみあげてくる苦みというか、ここも白ワインのエキスをアンプしたような。苦みやえぐみもパワーアップ! 香りも含めてやけに大柄な白ワインで、アルコールもぷんぷん。繊細なあやは期待しないほうがよさそう。
 
 ※二日目も強烈でくどいワイン。これはそういう品と割り切って飲むしか。

【1910】Castellare di Castellina Chianti Classico 2016

 
vinica.me
 
 このワインは、ずっと昔、まさにワインに慣れてきた頃に出会い、キアンティクラシコ系のワインとしては最高の評価に至った、カステラーレ・カステリーナのキアンティ・クラシコ。ただ、日本国内でこいつを見かけることは皆無で、再会したら是非飲もうとだいぶ前から探していた。
 
 で、リカーズハガワで発見してしまい即購入。
 
 グラスに注ぐと、キアンティ系としては濃い体裁。ただ、香りはそんなにクリーミーという感じではない。同じキアンティ系でいえば、フォントディあたりのキアンティ・クラシコに似ているかな、と思ったりもする。
 
 口をつけてみると、あまりなで肩ではないぞ?むしろタンニンがまだしっかりしていて果実味が凝り固まったみたいで、以前に飲んだ時に感じたようなおおらかさがこのワインには不足している。今回、宴席に連れていったのでそれほど長く確認することはできなかったけれども、カステラーレらしい雰囲気をまとっているとは確認できなかった。作風を変えたのかもしれないし、若いうちに抜栓してしまったからかもしれない。