北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2141】Telmo Rodriguez ”Pegaso” Barrancos de Pizarra 2013

テルモ・ロドリゲス ペガソ・ピサーラ [2018]
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、昔はときどき買っていたテルモ・ロドリゲスの赤ワイン。最近はあまり見かけなくなって、長らくご無沙汰していた。で、この"Pegaso"というワインは知らない。なんでもガルナッチャ(フランスでいうグルナッシュ)100%だとか。この品種のワインは基本的に好きなので期待したいところ。
 
グラスに注いでみると、かなり赤茶けた感じの濃い赤。グラスの辺縁はまだまだ濃くて、若そうなご様子。香りは、黒系果実のジャムみたいなやつがいくらかと、ごく軽くハムや肉系の香り。それからこのワインからはこしあん系の和菓子みたいな香りもする。ガルナッチャにしては品が良いのでは。
 
口に運ぶと、なんとも穏やかなアタックだ。果実味は10秒ほどしてから、和菓子系の香りや香水みたいな雰囲気を伴いながら、じわじわーっと口に広がってくる。果実の甘さのなかに、鉄分が含まれているようなニュアンスがあり、上品だけど雄々しさもある。飲み進めると、この雄々しさが鉄、さらに血のようなニュアンスを帯びてきて実に力強くなってきた。だからといって乱暴なワインになってしまう気配もなく、良い感じで上り調子を楽しめた。明日の状態が楽しみだ。
 
※翌日。なんと、ここに来て動物のおしっこみたいなにおいが鼻につくようになってしまった。舌ざわりや味はいいんだけど、終始、動物のおしっこ。これはこれで肉系赤ワインにあってもおかしくない展開だけど、珍しく、それが「ちょっときつい」と感じてしまった。やりすぎなのか、コントロールが甘いのか。初日に飲むぶんにはガルナッチャとしては典雅な部類だったけど、翌日に余計なところを見てしまった感じ。
 

【2140】Sartori "Brush" Pinot Grigio 2018

 
サルトーリ ピノ・グリージョ ブラッシュ
 
このワインはイタリア北東部のヴェネト州でつくられている、見知らぬロゼワイン。ワインのもとになっている品種はピノ・グリージョ、あまりロゼに使われている印象のない品種ではある。確か、ぶどうの果皮が灰色とかピンク色とか、そんな感じの色だったような。だからか、このワインはロゼとはいえすごく色が淡い。うっすらとした桜色をしている。
 
で、香りのチェック。ロゼにありがちな金柑ーかんきつ系の香りは弱く、代わりにピノ・グリージョらしい爽やかな香りが優勢。とはいえまったく後者然としているだけでなく、いくらかロゼっぽさもあって、白のピノ・グリージョとは差別化できている感じはある。
 
口に運ぶと、はっきりとした作風の違いがあらわれるーーロゼ然とした金柑-かんきつ系の風味がぶわーっと広がって、チェリー系の酸味が爽やかに口に残る。白のピノ・グリージョ譲りのさわやか花畑風味と瑞々しさがこのワインには残っている感じもあり、飲み口は軽快、ロゼらしい手ごたえはあっても重たい感じではない。軽量級のロゼワインとしてはぜんぜんアリだと感じた。お値段も安いし。
 
※二日目は少しえぐみが入ったかもしれない。とはいえ合格点の水準。

【2139】Louis Armand Champagne Brut (N.V.)

 
ルイ・アルマン シャンパン ブリュット トラディション
 
このシャンパンは、ヴェリタスさんの格安セットに入っていた、たぶん安物。あとで調べてみたら、単価は2700円ぐらいのやつらしい。で、このルイ・アルマンというメーカーは結構いろいろなシャンパンをつくっているみたいなので機会があったら比べてみたい気もした。
 
で、まずはこのボトル。少し赤銅色がかった、いかにもピノ・ムニエピノ・ノワールあたりがふんだんに含まれていそうな色合い。香りは、ちょっと甘いメレンゲ系の香り、それから少し金柑系のかんきつが香ってくる感じがある。
 
口に運ぶと、砂糖漬けの金柑みたいな甘い風味がふわんと来た。サクランボ&サクラっぽさもある。これ、見た目もそうだけど微妙にロゼシャンパンっぽさがあるぞ?ロゼにありがちなコクも軽く伴っていて、これもいい。酸はとてもしっかりしていて、口当たりの粗さと、キンキン金属感をいくらか伴うけれどものどごしの良さを傷つけるほどではない。ごわごわとした舌ざわりはプレステージシャンパンからかけ離れたものだけど、この価格帯のシャンパンならこれでケチをつけるのはお門違いというもの。粗削りながら、酸味のさわやかさとのどごしの良さ、コク、そして華やかさが同居していて喜びあふれる飲み物だった。このメーカー、ちょっと気にしてみよう。
 

【2138】Galilee Galilaa Golan Heights Winery "Yarden" Chardonnay 2018

ヤルデン シャルドネ [2018]
 
病み上がりで、久しぶりにワインを飲むなら慣れているやつにしたい。そこで、いつも世話になっているヤルデンのシャルドネを飲んでみることにした。直近の記録では去年に2018のヴィンテージと対峙したことがある。今回もだいたい同じ印象だといいのだけど。
 
まず抜栓しグラスに注いだ段階で、石灰岩~ラムネ系のすがすがしい香りがめいっぱいに広がる。爽やかな感じがしてとてもいいぞ。グラスに鼻を近づけると、はちみつクッキーみたいな幸せな甘い香りがぐわーん!と来る。もうこれらの香りだけで幸せな予感がある。色合いは、ほどほどの山吹色。
 
口をつけると、まさに香りのとおりの爽やかラムネ系+はちみつクッキーが広がる。あとはフルーツポンチの汁みたいなやつとか。新世界ゆえ酸味はちょっと弱いけれども弱すぎるほど弱くもなく。このワインのいいところである、石灰岩&ラムネっぽさのおかげで酸の弱さはかなりカバーされているのだと思う。ちょっとローソクっぽさも感じられるけど、これはワインが特にアルコール強いというより、自分がまだ本調子じゃないせいかもしれない。それもまた、堂々としていて良し。やっぱりこのワインはお気に入りのシャルドネだ。名醸地のワインが高くなるばかりなので、これからもありがたくリピートしていこう。
 
※二日目。昨日よりも涼しい雰囲気に飲めていると感じる。やっぱりこのワインは良いものだ。今回のリピートも幸福のうちに終わった。
 

【2137】マンズワイン株式会社 "Solaris" 信州 カベルネ・ソーヴィニヨン 2015

 
マンズワイン ソラリス 千曲川 カベルネ・ソーヴィニヨン 2017
※リンク先は「千曲川 カベルネ・ソーヴィニヨン」です。またヴィンテージが異なります
 
このワインは、山梨県マンズワインが手掛けている信州産の赤ワイン。このソラリスというワインはワインログを書き始める前からずっと飲んでいない。実質、今回が初めて飲むようなもの。今飲むとどんな感じなのだろう。
 
まず見た目。かなり不透明な、黒々とした液体。グラスのへりまで真っ黒で、熟成している感じはまったくしない。若飲みもいいところだ。抜栓した段階で、ふんわりとチョコバニラ系の、樽由来らしき香りが辺りに漂った。グラスに鼻をつけて確認すると、香りに蜂蜜のような甘い香りとプラム系のつんとした香りも伴っている。総じて、フレンドリーな感じだ。
 
口をつけると、香りに比べて落ち着きのある果実味。甘さでゴリゴリ押すのでなく、飲み口が落ち着いている。タンニンはあるけれども鬱陶しい感じではない。香りは良いし、けっして果実味が弱いわけでも酸が乏しいわけでもないのだけど、うまい具合に品の良いところでまとまっている。果実味のしっかりした年のボルドーの、ちょっと良いクラスのワインを若飲みしたような心地よさとでもいうか。木材と炭火が混じったような、暖炉のような香りがするのもいい。
 
※しばらく風邪でワインが飲めず、4日後に少しだけ残り物をわけていただいた。酸が少し立っているけれども飲み心地は大きくは変わらず。むしろ雄々しくなったとさえいえる。ちゃんと飲みきれなかったけれども良いワインだったみたいだ。
 

【2136】Domaine de Rochebin Bourgogne Pinot Noir Vielles Vignes 2017

 

 
このワインは、コストパフォーマンスに優れた平格ブルゴーニュを作っているロシュバンのもの。前回は2016年産がなかなか良かったので、今回も楽しみに買ってみた。ちなみに価格は変わらず。どんな塩梅だろう。
 
まずラベルをチェックした時、裏側に貼られているシールから、「ちょっと弱いインポーター」の品であることを確認した。大丈夫かな?香りは、初手ではあまり香ってこない。うーん、傷んでいたら嫌だな、大丈夫かな。
 
で、口に含んでみると、懸念を吹き飛ばすような適度に甘くふんわりとした、それでいて酸っぱい飲み口。少しざらざらした舌ざわりがあり、酸味も甘みもちょっと弱いところもあるんだけど、それらが混じり合った結果として平格ブルゴーニュとしてちょうど良い塩梅ができあがっている。化粧箱みたいな少し偉そうな香りがあるのも良い。コーヒーや獣のようなフレーバーも僅かにあるけど、それもまた平格ブルゴーニュという感じで良い。2016年産と比較すると、こちらのほうが無難かつ一層小粒という感じで、2016年産のほうが馬力はあったように思う。でも平格はこういう感じでいいんじゃないでしょうか。なかなか良かった。
 
※二日目になると、化粧箱っぽさが少し弱くなったかもしれない。控えめなワインだ。でも変な出しゃばりをするよりか、こういう控えめなワインのほうが普段飲みには似合っている。