北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0010】Carles Andreu Brut (N.V.)

 
 夕食の材料を探しにスーパーに出掛けてみたら、美しいカナガシラ*1が六匹400円で売られていてびっくり。これは大変な御馳走を発見したと思い、即座に購入。週末に呑む予定だったワインを前倒しして、この冬の日本海の御馳走に合わせる形にすることにした。
 
 冬に食べる御馳走シーフードといえば、香箱カニ、カワハギ、ホウボウ、そしてカナガシラ。鰤やヒラメも捨てがたいが、コストパフォーマンスが悪い。ましてやマグロなんて論外。安い沿岸モノの白身魚がおいしい時期なんだから、これを堪能しない手はない。
 
 今夜はカナガシラ二匹を汁物に仕上げ、四匹を焼いて頂くことにした。そのお供として、カルレス・アンドリューなるカヴァを頂くことに。このカヴァは非常に手堅いので、3回目ぐらいになる。盤石の体勢。
 
カルレス アンドリュー ブリュット
 
  
 グラスに鼻を近づけると、スーッと立ちのぼるリンゴの匂い。呑んでみれば、青リンゴに少しだけ蜂蜜とグレープフルーツを混ぜてジュースにしたような、「昔あった透明リンゴジュース100%から、甘みを抜いてグレープフルーツを加えてドライに仕上げた」ような味。苦みも感じるが、鬱陶しいほどではない。あっさりし過ぎているかと思いきや、甘みとトロみを伴った後味が残って楽しませてくれる。総体としては爽やか系の辛口カヴァなんだけど、泡もキメが細かく、野蛮というよりは上品。すごく優等生さんだ。
 
 実際のところ、カナガシラを食べている間はそっちに無我夢中で、“ワインより魚”状態。とはいえ、品の良い白身魚に上手に寄り添ってくれて、食後も楽しませてくれる味わいは大変ありがたかった。