北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0011】La Llanura Gran Reserva 1989

 
ラ・ヤヌーラ グラン・レセルバ 1989
 
  
 以前、近所の酒屋で1987年モノの同銘柄を買って美味しかったので、1989年モノをインターネットで発見して購入。約1600円。20年前の銘柄が1600円ということなので、元々の価格はお察しだけど、逆に20年前の古酒としては物凄く安い。
 
 開栓すると、コルクが綺麗な薄紫に色づいていて幸先がよさそう。先日のグルフィの赤ワインによく似た匂いがモヤモヤとこみ上げてきた。匂いを表現する語彙が乏しいので「血のしたたるような赤ワイン系の匂い」ぐらいにしか表現出来ないのが口惜しい。ただし、鼻を突くような強烈な匂いではなく、「モヤモヤとこみ上げてくる」というのがぴったりのマイルドな立ち上がり。匂いに関しては概ね期待通りだった。
 
 色は、赤紫に茶色を少しだけ足したような色。色合いはやや薄いけれど、汚いわけでもない。後でデキャンタしてみたら禍々しい泥水のような(←褒め言葉)色合いになって、好感度大。
 
 味は、匂いから想像されるよりもあっさりしていて驚いた。ライトボディ〜フルボディという分け方なら、ミディアムボディぐらい?以前呑んだ1987年は、もっと腹にのしかかってくるようなゴッテリ感と苦みが強かったような…。1987のやつが「自己主張の強いおばさん」だったのに対し、今回の1989のやつは「上品で柔和なおばさん」。ところがデキャンタすると、今までは目立たなかった味と香り(プロピエダッドと共通した香りなので、テンプラーニヨの味と香り?)が全面に出てきて、俄然、若返ったような感じ。オバサンワインが「私がオバサンになっても」を歌い始めたような自己主張。こういう展開を待っていたんですよ。ちょうど酔いが回ってきたのか、自分の鼻息にも、いかにもワインらしい香りが籠もるようになってきた。
 
 とはいえ、当初の予測に比べれば個性よりもトータルバランスが勝った、余韻もちょうど良い案配のワインだった。このワインは二本買ったので、もう一本はもっと暖かい季節になってから頂いてみようと思う。
 
 
 [追記:]1/3残ったので、冷蔵庫に一日保存しておいたところ、甘みが前面に出てきて苦味がひっこんでなんだかジョブチェンジ。もしかしたらこっちのほうが美味しいかもしれない。