北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0031】Bernkasteler Doctor Thanish Auslese 1998 (ハーフボトル)

  
ベルンカステル Dr.ターニッシュ アウスレーゼ ハーフボトル
 
 以前、 19番として記録したことのあるワインのもう一本。本当は夏頃まで温存するつもりだったけど、液漏れしはじめているのを見つけて急遽呑んでしまうことにした。液漏れは初めての体験。

 カバーをはがすとコルクがワインでベチョベチョになっていて、かなり残念な状態だった。開栓しようとするとコルクが途中で崩壊しはじめ、なんとか本体は抜ききったものの、コルクの破片が液面に落ちてしまった。しようがないので、コーヒーフィルターを使ってコルク片を除去し、デキャンタに移し替えることにした。
 
 液体の色は、黄色というより山吹色に近い、非常に濃い黄色。腐ってダメになってしまっているんじゃないかと不安になるほど色が濃い。幸い、香りはリンゴと蜂蜜を連想するような芳香で、酸っぱい匂いや腐った匂いは混じっていない。
 
 舌に触れる時の刺すような甘みは健在。というか、舌が痺れるような感覚。もしかしてボトルのなかで再発酵しかけていたんだろうか?とさえ疑うが、デキャンタされた液体に気泡は混じっていないので、たぶん大丈夫。呑んでいるうちに「むしろ前回よりもずっと美味いんじゃないか」と思い始めてきた。トロみとコクが増しているような気がするし、ほんの僅かに苦みが混入しているのがまた良くて、それが甘みを引き立てている感じ。しかも口の中でかなり長い間、舌の痺れ・甘み・酸味が余韻となって残っている。あえて難癖をつけるなら、ほんのちょっと水っぽい所が1997年モノに及ばないが、それでも前回に比べればずっと旨い。
 
 もうダメだと思っていたのに、良い意味で予想を裏切られた。大変おいしかったです。