北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0049】Feudo Monaci Primitivo Puglia 2004


フェウド・モナチ プリミティーヴォ(注:2007年のものです)
 
 どういうわけか、近所の酒屋にとつぜん入荷した、イタリア原種プリミテーィヴォの赤ワイン。920円という値段はオンラインの価格と比較しても安い設定で、わけのわからない原種系でこの値段だとすれば、買ってみるのも一興と思って購入。ヴィンテージが2004年と古かったのも不思議で、楽天などではここまで旧いボトルは購入不可能。
 
 開栓すると、ブルーベリージャムのような濃ゆい匂いがブワーッと漂い、その後、チョコレートとサクランボのような香りが優勢に。わずかに線香の匂いも追いかけてきて、意外と下品っぽさが少ない。全体的に明るく派手な香りで、ちょっと楽しみになってきた。ただ、色は赤錆がかっていて、あまり濃くもない。光にかざすと綺麗に透けてみえるけれども、感銘を受けるような色じゃない。
 
 味は、ジューシーな葡萄の感覚に、ブラックチェリーの酸味を足して、ほんのりとした渋みと苦みを添えたような感じ。酸味がやや勝ちすぎているきらいはあるものの、渋みと苦みがまったりと酸味を包み込んでいて、まぁまぁいける。安ワインにしては上出来かなぁ、ぐらいに最初は思っていた。
 
 ところが、後味が口のなかに残るようになってから面白く化け始めた。口のなかに金属っぽい風味*1が良い意味で余韻として長く残って、それがワインを新しく口に運ぶたびに混じり合って、特有の味覚の化合物を創り出している。舌の上や喉に残る酸味も独特のもので、ピリッとした感覚があるのに、タンニンと調和していてまろやか。口や喉から鼻のほうに昇ってくる香りも立派で、意外なほどリッチな感じに。
 
 このワインはちょっと変わった雰囲気なので、普段呑みには適さないような気はするけど、値段の割には香りも味もいけているほうだと思う。口当たりもマイルドだし香りも酸味も“どこか気さく”で“人当たりが良い”。1000円以下で買える味だとは思えない。飲むのにベストの時期を迎えた一本だったんだろうか?
 
 ※後半戦、香りが若草っぽさを帯び始め、線香っぽさもパワーアップしてもっと上品に!?味も、ますますフルーティーになってビビるほど美味しくなってきた。最後まで上がり調子。ちょっと凄かったかも。
 

*1:たぶん一番近いのは、歯医者で歯形をとる時のピンク色のぶよぶよした物体の風味