北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0069】Feudi di San Gregorio Albente Campania Bianco 2008

サン・グレゴリオ ”アルベンテ”(←ヴィンテージは不定みたいです)
 
 もういっちょクセのあるイタリアワインを賞味してみたいと思い、カンパーニャ州の地物ワインを手がけているフェウディ・ディ・サングレゴリオの比較的廉価な白ワインを選んでみた。このボトルの品種はファランギーナ、コーダ・ディ・ヴォルペ、フィアーノという、ほとんど馴染みのない地物ばかり。購入時の値段は1500円。
 
 まずは開栓。グラスに注ぐとほんの僅かに、甘くて新鮮な葡萄の匂いがする。ここまでは驚くべき点は特に無い。
 
 味は、少しクドいぐらいの…なんだこれ?ミネラルとかそういうレベルというよりも草汁?なんとも不思議な味がする。しかも、入り口はゴツくて酸味も控えめなのに、呑んでしまえば意外と爽快、後味にはハッカによく似たスーッとする成分が混じっている。一杯ぐらい呑んだ後にもう一度鼻をクンクンさせると、今度は花畑とメロンパンの匂いが漂いはじめ、いつの間にか呑みやすくなっている。
 
 とはいえ、呑みやすくはなっても不思議な風味は健在で、厚みのある風味とアルコールの強さとも相まって、ワインを呑んでいるというよりは、このワインに手玉に取られているような感じ。しかも歯茎に溜まる旨味成分が鉱質というよりも粘土を連想させるような濃い塊のようなやつでたまらない。気付けば、草を煮詰めて抽出したんじゃないかと思うような微かな甘みも漂い始めている。
 
 この白ワイン、全くフレンドリーではない。今の自分のキャパでは、完全にワインの味と風味に振り回されている状態で、疲れを癒すためのワインではなく、全力で「あなた、一体どういうワインなんですか?」とボトルに訊いてみたくなるような興味深い一本になってしまった。750mlの真剣勝負はとても楽しかったけど、くつろいだ一時とは全く無縁の時間だった、とも思う。暑くなってくると、凝ったワインよりスッキリサッパリ系が欲しくなるのかな。