北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0088】Guy De Saint-Flavy Champagne(N.V.)


ギィ・ド・サン・フラヴィ
 
 疲れた休日の夜に、なんとなく冷たい飲み物が飲みたいけれども適当なものがなくて、手を出してしまった一本。2800円とはいえ、シャンパーニュを「なんとなく」で呑むというのは勿体ない気がするけれども、貧相なデザインのエチケットに釣られて空けることを決意した。
 
 香りは、かなり葡萄フルーツ臭が強いながらも、漬け物のような匂いが僅かに混入していて、ちょっと濃厚そうな予感。麦わら色の液体からは、小粒の泡がしっかりと泡立っている。
 
 味は、酸味の強烈な滑り出し。ほとんどレモンスカッシュを思わせるような酸味はかなりガッチリしている。けれどもそこは流石にシャンパーニュ、ただのレモンスカッシュではなく、酸味に釣り合うだけの苦みとちょっとしたエグみを伴っていて、総体としてはかなり良い感じに仕上がっている。酔いが回ってくると、葡萄フルーツ系よりも発酵系の匂いが目立ってくる。強烈な酸味・苦み・漬け物臭・エグみ、どれをとっても単品ではあんまり美味くなさそうな風味ばかりなのに、全部集まるとこれが美味い。酸味のお陰か、後味も意外とサッパリしている。良くできてるなぁ。
 
 結局、美味い美味いと言いながらあっという間に呑んでしまった。この価格のシャンパーニュにしては、やたらとバランスの良い一本だったと思う。これはまた買おう。「割安の品でもシャンパーニュは偉大」と言いたくなる幸せなひとときを過ごすことができた。大満足。