北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0206】Poggio le Volpi Primitivo di Manduria 2007

 
 プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア[2007]/ポッジョ・レ・ヴォルピ
 
 開栓しグラスに注ぐと、なんとも濃くてしようがない、不透明感満点のワインレッド。香りは、線香臭が非常に強いけれども、なんとなく神妙さや偉そうさというよりも“安い線香”をイメージさせるものがあった。なまぐさい木の枝みたいな雰囲気もあるかもしれない。
 
 けれども味は、まったり甘口クリーミーで、後味にチェリーのような感触がチョロンと残る。このクリーミーさのお陰でタンニンはあまり気にならない。いつぞやの南アフリカのワインにかなり近い甘さながら、クリーミーさ加減と後味のジューシーっぽさ加減のお陰で、そんなに甘さに苦労する感じではない。ただ、木の枝みたいな匂いと味との組み合わせが、なんというか微妙だなぁと思いながら呑み進めた。
 
 ところが!1時間ほどすると、俄に男性的なというか、クリーミーな柔らかさに厚みがグッと伴うようになってきた!しかも、タンニンもブワーッとやってきて存在感を示し始めている。美味くて生意気な方向に変化してきた!それでいて、新鮮な果実味と柔らかいアタリを失うでもなく。やがて、香りからも枝の生臭さが消えてきた。変化はここまでだけど、ここまでで充分。
 
 心温まる、疲れがとれるような赤ワインで良かった。くたびれた日のデイリーワイン、それも寝る前なんかには、ちょうどいい感じ。値段を考えれば立派なものだと思う。