北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0218】Michel Gay et Fils Beaune Greves 2004

 
ミシェル・ゲ ボーヌ グレーブ2004
 
 グラスに注ぐと、いきなりプーンと甘い甘い苺ジャムのような匂い。カラメルのようなモッタリとした甘さと、揮発性の高そうなローソク臭を含んでいる。全体としてはえらくトーンの高い匂い。色あいは、オレンジというよりちょっと茶色の入ったような感じ。
 
 口に含むと、ローソクのような風味が先行。後味にコクは来るし、厚みもそこそこ、匂いの強烈さに比べるとフルーツっぽさが足りないような気がする。酸味は適度なレベルで、あまり気にならない。タンニンは殆ど感じられず。
 
 そうこうしているうちに、杉の入浴剤のような匂いが段々に強くなりはじめて、甘いジャム系臭と共存し始めるようになってきた。この、杉のような雰囲気のお陰で、味のフルーツっぽさの乏しさが幾らか気にならなくなった、ような気がする(それが良いことか悪いことかはさておき)。匂いが立派すぎるせいで感じていた、匂いと味のアベコベ感は、これの杉っぽさのお陰でいくらか緩和されたような。
 
 ところが中盤以降、匂いがだんだん弱まって、味のほうは相変わらず痩せぎすのまんま。総体としては悪くはないけれども、パワーアップには至らず、むしろ衰弱していくような。匂いが素敵な品だとは思うけれども、味まで含めたトータルバランスなら、これのほうが良かったと思う。