北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0420】Vaucher Pere et Fils Meursault 2008

  
ヴォーシェール・ムルソー 2008
 
 このワインは、3000円ちょっとで売られていた、村名級のムルソー。村名級とはいえムルソーがこの値段というのは珍しいと思い、購入してみることにした。ただ、家に持ち帰った後に気づいたのは、どうやらこの作り手が、ムルソー村で作っているわけではなく、ニュイ・サン・ジョルジュ村でこのワインを作っているということ。はてさて、どうなることやら。
 
 開けて注ぐと、コルクはカビがついていて酸っぱい嫌な匂い。先日、だめになった白ワインに出会ったので怖い感じではある。色は、僅かに緑色がかった白ワイン色で、まずまず標準的な濃さ。匂いをかいでみると、甘いハチミツ系の匂いがふんわりと漂い、この匂いが意外と上品な軟らかさで、しかも結構強めの匂いで嬉しい。樽っぽさやメロンっぽさは感じられない。
 
 口に入れてみると、匂いとは裏腹な、ちょっと酸っぱすぎるぐらい酸味とフレッシュなフレーバーが口のなかにワッと広がり、ものすごく若い、若すぎるんじゃないのという雰囲気。少しミネラルも含んでいるような感じもあって、なんだかキリリとしている。僅かに若草をイメージさせるような匂いも混じっているかもしれない。十分おいしいし、時折なにかの木の実のような不思議な匂いが漂うのも、ハチミツっぽさが思い出されるのも良い感じ。このあたりは、以前に呑んだムルソーを連想させるような。それと、後半になって(酔いが回った影響もあるのか?)松ヤニや樹皮を連想させるような匂いがしてきたのも嬉しい。
 
 ただし、何か、若すぎるものを呑んでしまっているような感覚を終止感じたのも事実。あと数年辛抱すれば、もっとおいしいワインに化けていたのかも。