ヴォルネイ[2002] ニコラ・ロシニョール
今日は久しぶりにリーデルのブルゴーニュグラスを取り出しての対峙。モノは、ヴォルネ村名、優良年といわれる2002年とはいえ、ボトルの保存状態の来歴次第ではちょっと古すぎるかもしれない。でも、時間の経ったブルゴーニュを飲まずに避けて済ませるのもどうかと思いながら開けてみた。
色は、熟成感のあるオレンジがかった薄いワインレッドで、透明度が高い。ヴォルネらしい色合い。匂いをかぐと、もうドンピシャ。甘くてふんわりとしたクッキーのような匂い・苔むした朽ち木のような匂いの内側に、チェリーのような甘酸っぱい匂いが芯みたく匂ってくる。さらに蝋燭臭も。そして匂いをかぐためにグラスを揺らしていると、粘性度も高い。グラスのなかいっぱいに幸せな匂いが籠もっている。
口に入れてみると、まったーりとした熟成感のある味。変な苦みや発酵臭も感じられず、柔らかい酸味がメイン。鰹出汁のような風味を伴った、沖積平野のように真っ平らな感じの味覚が広がる。なで肩のワインだけれど、水っぽいとは感じない。この季節の午後4時ぐらいの太陽を連想させるようなイメージ。
早く飲まないとすぐに失速するかもと思い、サクサク呑み進めていくと、微妙に味が甘い方向に変化し、匂いのなかの蝋燭っぽさがグワーッと吹き上がってきた。やるじゃないですか。数時間経つと果実味がどんどん強まり、少し煙突っぽい匂いが混入し始めるなど、むしろ強まっていく一方。おー、こりゃーすばらしい。全然いいじゃないですか。同価格帯のワインと比べても優れていると思ったし、二時間ほどでヘバって落ちていく(もっと若くて高い)一級は何をやっとるんだ、と思ってしまった。このメーカーさんと、このワインを入手したお店の信頼度+2。