北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0535】Azienda Agricola F.lli Grati Chianti Rufina Riserva "Il Lastro" 1997 (ハーフボトル)

 
キャンティ ルフィナ リゼルヴァ スリムボトル(375ml) 1997
 
 このワインは、キアンティ系の中核地域(いわゆるキアンティクラシコ)ではない、ルフィーナ地区のワインながら、やたらと歳を取っていてリゼルヴァクラスという、ちょっと期待できる一品。値段はハーフボトルで1500円ぐらいだったので、フルボトル換算で2700円ぐらいかな?イタリア産のコッパやオードブル詰め合わせと一緒にいただいてみた。
 
 色合いは、茶色にかなり近い、いかにも古いワインですというような色合いで、かなり濃いほう。グラスに鼻を近づけなくても匂って来るぐらい香りが強く、柔らかいキアンティらしい匂い(ほっこりしていて、スミレっぽくて、甘そうな)が漂って来た。
 
 口をつけてみると、バイオレットリキュールもかくやという、強いスミレの香りが顔の周りに漂ってきた。その香りの神妙さと鮮やかさは、今まで呑んだどのキアンティよりも強烈で、かなりのインパクト。お汁粉を連想したくなるような粒度・甘さ・柔らかさがあって、タンニンも優しげ。後味は、スミレっぽい芳香匂いがしばらく漂っているけど、これがまたくっきりしていてボヤけた感じがしない。キアンティのスミレ風味だけ精製してあるんじゃないの?と勘ぐりたくなるような。しかも少しずつ匂いや味が移ろっていき、ちょっとだけ土の匂いもする。
 
 これ、かなり凄いかも。ハーフボトルだったのが残念なぐらい。キアンティってちゃんと長生きするんだ、とも。このクラスのワインを十五年も寝かせて呑む機会はあまり無いので、貴重な体験になった。