北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0539】Thierry et Pascale Matrot Meursault Charmes 2008

 

 
 このワインは、以前、ジョセフ・マトロ/ピエール・マトロと名乗っていたメーカーのもの。息子夫妻の「ティエリー&パスカル」という名前に変わったらしい。2008年の一級なので呑むには早すぎるような気がするけど、同ヴィンテージ同メーカーの畑違いのストックが幾つかあるので、様子見のために敢えて開けてみることに。
 
 グラスに注いだ色は、黄金色というより、やや赤色っぽさすら混じったようなスペクトルながら、思ったより濃くない色。匂いをかぐと、真っ先に来たのは貴腐ワインを思い出すような、そっち方面の匂いで、干し柿や杏の匂いのなかでも鋭い成分が来た。で、その後、ほっこりとした菓子パンっぽい匂いがやってきた。なにこれ?
 
 口に入れてみると、思ったより水っぽいというかあまり濃くない感じで、その後から、ちょっとだけ樽っぽい感じが追いかけてくる。で、もしかしたらワインが痛んでいるかもしれないと思うような、口のなかをビリビリさせる成分が混じっているのが気になる。ただ、後味には杏のような雰囲気がふんだんに混じっていて、それなりに立派なところもあるにはある。二杯目になると、甘い杏っぽい匂いがやや強まり、匂いに蝋燭っぽさが、味に焼きリンゴっぽさとクッキーっぽさを伴うようになった。あまり美味しいとは言えないけれども、興味深い。
 
 ただ果実味は痩せ痩せで、やや水っぽくザブザブしている感じが否めず。ムルソー一級を名乗る飲み物としてはこちらの安物のほうがまだしも上のような気がした。早く開けすぎた?痛んでいた?今回はちょっと…。