北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【548】Brac de la Perriere-Chateau de Lancie Le Chene du Py Morgon 2007 (ハーフボトル)

 
 
 
 こいつは、以前に呑んでびっくりしたクリュ・ボジョレーの一本。あまりに素晴らしかったので、もう一本購入してみた。このボトルが最後の一本だった様子。
 
 色は、前回と同じく、ちょっと明るくて透明感のある、赤紫系統の色をしている。匂いをかぐと、ほっこりとしたタイプの果実臭に加えて、和菓子屋がつくったなんちゃってケーキの上に載っている水飴漬けのサクランボのようなチープでキュートな甘い匂いが乗っていて、なんだか期待が持てそう。
 
 口をつけてみると、最初ちょっと金属っぽいかな?と思った瞬間があったけど、その後は強烈なゴボウ風味。前回同様、ゴボウかじってるみたいな気分。しっかりした苦味とコクがえらく優美&力強く、果実味も十分。甘味は控えめだけど痩せない程度には存在していて、力強い苦味とコクをバックアップしているかのよう。タンニンがガサガサッとやってくるけど、これも風味の和を乱すような感じではない。いつまでも口のなかに存在感があって、余韻もやっぱりゴボウ。この味に引っ張られたのか、いつしか匂いも土がいっぱいついたゴボウのような気がしてきた。
 
 「愛嬌があるワイン」ではないけど「しっかりしたワイン」「精悍なワイン」という褒め言葉が似合うと思った。「小柄だけど力強いローマ軍団兵」みたいな。このワインメーカー・この畑の品に出会うことはもう無いと思うけど、本当に掘り出し物だった。