シャトーボーモン[2008]
このメーカーのワインとは、以前に2004年産、2005年産とぶつかったことがあって、今回で三回目。グラスに注いでみると、それなりに濃い、けれども透明度の幾らか保たれたワインレッド。匂いは埃っぽさ・墨汁っぽさを伴った甘いチョコムースのようだけど、開放的というよりちょっと内に籠もったようなところがある。
口に入れてみると、まず埃っぽさがパァっと来て、その後に苦味・酸味の順に来た。甘味は控えめで超ビターチョコぐらい。渋さは苦味と埃っぽさの影に隠れていてほとんど気にならない。酸味は酸っぱくて困る感じではなく、ちょっとしたアクセントになっている。後味はサラッとしていて後にあまり引かない。
甘味は少なめだけど、苦味と埃っぽさを中心にバランスがとても良く、中肉中背のボディという印象。露骨に愛想するワインだけがいいワインじゃないんですよ、と静かに教えてくれるような一本だった。