北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0584】Domaine Albert de Sousa Meursault "Les Millerans" 2009

 

 
 GW中もやたらと忙しく働いていて、なんか己をねぎらわないとやってられない感じで、けれども良いワインを呑むためには体力に余裕が無いと呑めない……そういうジレンマのなかで、ようやく開栓したのはムルソー村名、見たことのないドメーヌの品。「2009って若さでもすぐおいしく呑めますか?」と店の人に聞いたら「すぐ呑めますよ」とのことだったので、開けてみた。
 
 色は、ちょっと山吹色の入った感じの白ワイン色で「濃い」予感がする。粘性度は抜群でたぷたぷしている。グラスに鼻を突っ込むと、ニスの匂いとハチミツの匂い、キャラメルコーンの匂い、そして塩素の匂いがする。塩素は開けてすぐだから?
 
 口に入れるとトロンとした舌触り。メロンっぽさが強く、樽だーと感じる。この瞬間はなんだか新世界シャルドネなイメージだなと思った。ふっくらした呑み心地で後味にジュワっと果実味が溢れる。それでいて鉱質がパンパンなのが意外。酸味が少し足りない気味なのを、鉱質でまとめてだらしなくなるのを防いでいるようなふしがある。冷やしてみたほうがおいしいような気がしたので、ちょっと冷やしてみると、味は引き締まるけれども香りとふくよかさはダウンして少し図体が小さくなるような感じがする。んー、どうしたものか。暫く待ってみることにした。
 
 で、開栓後三時間ほどすると、みるみる瑞々しくなって、なんというかミルキーな感覚を伴うようになってきた。なんだこれは?単に潤いがあるだけでなく、ニュニュっとしていて面白い。果実味が急激に強くなって、全体的に「ふっくら」から「太い」に感覚が変化している。おお、これはこれで。これまでの乏しい経験からすると、ムルソーの名を冠する白ワインは、特にヴィンテージが若いときは、開栓してから2〜3時間待つと素晴らしいことになるのかな?もしそうだとしたら、今後は開栓後わざと呑むのを遅らせて、様子を眺めることにしてみよう、と思った。
 
 ※残り半分を開けてみると、ゆうべのようなミルキーな感覚はなくなっていて、割と普通の白ブルゴーニュになってしまっていた。まずくはないんだけど、普通の平ブルゴーニュみたい。夢は醒めてしまった。