北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0656】Philippe Bohrer Cremant d'Alsace Brut (N.V.)

 
フィリップ・ボレール クレマンダルザス
 
 寒くなってくると、泡モノもアルザスも呑まなくなりそうなので、今のうちにこいつを。まず、色は予想以上に黄金色めいた、「シャンパーニュです」と言われて出されたら欺されてしまいそうな色。しかも、細かな泡が、前回呑んだシャンパーニュとだいたい同じぐらいの速度で&豊かに立ち上ってくるから、なかなか頑張っている。しかも、匂いをかぐと、蜜のたっぷり入ったリンゴのような、青リンゴとは違った完熟感のある匂いがキツいくらい漂ってくる。これはいいぞ!
 
 で、試飲。口当たりは非常にまろやかで、まさに完熟リンゴのような甘みと、ごく軽い酸味がやってくる。苦みもライトなほうなので、スパークリングワインとしても軽量級という感じがする。けれども、甘みと酸味のバランスがいいのと、破綻しないぎりぎりの金属感があるお陰で、軽くて甘めのスパークリングワインのくせに背筋はシャンとしている。
 
 慣れてくると、次第にメレンゲ八つ橋の中間のような、シャンパーニュに感じるような匂いが混じってきて、これはこれで良い感じ。重厚感に欠ける点を除けば、よくできたスパークリングワインだと思うし、あまりワインを飲まないような人と一緒にやるなら、シャンパーニュよりこれのほうがウケると思う。