北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0786】Le Macchiole Paleo Rosso 2005

 
パレオ ロッソ[2005]
 
 今日の夕食は、トマトパスタとチーズパエリア。せっかくなので、ちょっといいイタリアワインをあけようと思って選んだのがこちら。トスカーナのなかでも新しい地域・ボルゲリの有名ワイナリーの、ちょっと高い赤ワイン。以前に空けた時はたいしたことがなかったけど、今回は2005年産、しかも品種がカベルネフラン100%になっているので、果たしてどうなることやら。
 
 まず色。あれっすごい黒っぽいぞ……カシスリキュールのように濃くて黒っぽく不透明、少し赤煉瓦っぽい色調なのもカシスリキュールに似ている。匂いはグラスに鼻を近づけなくても立ち上ってくる感じで、桜餅の匂いを濃縮したようなやつ(少し若草のようなフレーバーが混じっている)と、あんこの匂い、そしてコケモモの匂い。猛烈すぎてリーデルのグラスに鼻を突っ込むとむせかえるぐらい。
 
 口をつけてみると、凄いっ!ほとばしるような果実味とびろうどのような口当たりが真っ先に来て、タンニンのきめの細かさが凄くて、本当になめらか。僅かばかりの苦みもあるけれども、甘くてうっとりするような果実味に締まりを与えるかのように、僅かばかりの酸味がついてくる。少しニスのようなニュアンスもある。以前に呑んだソーミュールのピノ・ノワールだかカベルネフランだかわかんないやつに似たところがあるような。
 
 そうやって、えらくフルーティーワインだなと割り切って呑んでいたら……段々風味が濃厚に、そして微妙に鉄臭く力強くなってきた。最初はおそろしく柔和だったのに、後半は鋼のよう。カベルネフランってこんな挙動することもあるんだ。すごく享楽的で、それでいてワインらしい変化に富んだワインだった。前回のパレオロッソは正直たいしたことがないと思ったけれど、こいつはたいしたもの。マッキオーレは最近敬遠していたけど、見直した。
 
 ※二日目は少しだけボルドー風……とまではいかないにしても、情熱の吹き荒れるワインから、もう少し体裁の落ち着いたワインに。バランスはたぶんこっちのほうがいいと思うけれど、それでもかなりの出力、たいしたワインだった。