北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0899】Farnese Il Novello Terre di Chieti Vendemmia 2013

 
ファルネーゼ・ヴィーノ・ノヴェッロ[2013]年・イタリア新酒・ヌーヴォー・航空便
 
 そろそろボジョレーヌーボーの季節、今年は一切買わないぞと思ってワイン屋を回っていたら、ふと目に入ったのが、イタリア産のヌーボーにあたる「ノヴェッロ」。イタリア人がつくるヌーボーなんだから、さぞや酷いボッタクリ商品だろう……と馬鹿にしつつ手に取ってみたら、アブルッツォ州コスパ抜群メーカー・ファルネーゼのノヴェッロとあった。ファルネーゼの品なら、いくらノヴェッロでもそんなに不味くはないだろう、そう思って買ってみることにした。
 
 まず、色を観て観ると、青紫色をしていて、どこか透明感があるような感じ。でも実際にグラスを除けば黒っぽく不透明。で、匂いのほうは籠もっていてあまり分からない……と思いきや、奥の方から、高級な葡萄ジュースのような品の良い果実臭がしてきた。おいしそうだ。
 
 口に入れてみると、ボジョレーのごとき軽い口あたり。タンニンは軽くて、水っぽいと言いたくなるような軽さ。ところが、暫くしてくると新鮮な果実味と紛れもない甘みがじわりじわりと伝わってきて、高級葡萄ジュースっぽい容貌を備えてきた。非常にフレッシュで呑みやすく、愛嬌があって滑らか。自分が知っているボジョレー(ヌーボー)に比べると、甘みが葡萄の果実っぽい&甘みが強くて、果実味の余韻がいつまでも長い。しかも呑み進めてもいっこうに痩せて来なくて、むしろボディに膨らみを感じるようにすらなってきた!
 
 ノヴェッロという名前に相応しい、大急ぎで呑んでナンボのイロモノ系ワインには違いないけれども、これはこれで良く出来ていると思った。ただし、ちょっとお値段が張るのが玉に瑕。こいつは1900円したけれど、ファルネーゼの品なんだから、1400円ぐらい、せめてカサーレ・ヴェッキオより安い値段で売って欲しいな、とは思った。それでも大いに楽しめた。
 
 ※約1/2が残っていたので翌日呑んだけれど、殆どパワーを失っておらず、瑞々しい果実味と膨らみはそのまま。思ったよりもタフ。