北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0941】Jean Javillier et Fils Volnay 2009

 

 
 最近、立て続けに悲惨な品質のヴォルネ一級に遭遇し続けてきたので、ここはひとつ、仕入れルート的にハズレを引いた頻度が低く、ヴィンテージも良好なヴォルネを呑もうと思って、これを抜栓してみることにした。一級ではなく村名だけど、村名なりに素敵なワインであってくれたら嬉しいところ。
 
 少し薄くて、少しチョコレート色がかったピノ・ノワール色をしている。そんなに若々しい感じでは無く、中庸な色合い。匂いは、はじめは木の板のような匂いとローソク系の揮発臭がしたけれど、その後、手で温めるとチョコレートとサクランボの匂いがぶわーんとわき上がってきた。そして微妙に腐葉土臭い。これは吉兆だ!
 
 口に入れてみると、果実味がはちきれそうな味に、皮膜のようにつるつるとしたミルキーな甘みがコーティングされている。後味がイチゴのショートケーキのようだ!とにかく呑みやすく、タンニンも柔らかい。ヴォルネっぽいかといわれると、案外ごつく、神経が細かいわけでもないけれど、とりあえずおいしい&好みなのは間違いない。そして微妙にうんこ&腐葉土というか、その方面の匂いを伴っている。今の自分がこのワインをブラインドで呑んだら、なんて答えるんだろう?タンニンが頑張っているような構成は無く、とてもなで肩なんだけど、果実味と呑み心地に腐葉土っぽさを伴っているあたりが、好もしく感じられる。
 
 呑み進めるとボリュームが膨らんできて、味わいがこなれてくるとなかなか神経が細かいような気がする。例によってなめらかな呑み心地、このメーカーのヴォルネ・カイユレの立派な下位互換という気がする。これで3500円は安い、素晴らしい買い物すぎる。良いヴィンテージの、流通ルートが安心できるヴォルネはやっぱり良い、なにより、自分の好みの領域で味比べできるメリットは代えがたいものがあるので、これからも、ヴォルネのワインを真剣に購入し続けようと思った。
 
 ※二日目は少し細くなって、溌剌としたところが弱まってしまった。これは一日で呑むワインだったみたい。