北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1043】Farnese Montepulciano d'Abruzzo Colline Teramane 2008

 
Farnese Montepulciano d'Abruzzo Colline Teramane
 ※リンク先のヴィンテージは現行品のようです。
 
 このワインは、イタリアの安くて手堅いモンテプルチャーノ・ダブルッツォ。ただし、産地が特別で「コッリーネ・テラマーネ」と指定があって、DOCGに登録されているもの。このエリアのモンテプルチャーノ・ダブルッツォは「特別」という噂は聞いたことがあるので、大手ファルネーゼの品で挑戦してみることにした。ヴィンテージは若干古い2008。
  
 さて色をチェック。初手からいきなり違って、ものすごく濃くて新世界の赤ワインのようなタイプ。この品種のワインは青紫色がかっていることが多いけれど、古いせいか、はたまた「コッリーネ・テラマーネ」のお陰か、こいつは少し茶色っぽい色をしている。匂いは、モンテプルチャーノ・ダブルッツォらしい線香系の匂いなんだけど、香りの輪郭がリキュールみたくくっきりしていて、しかも微妙に蜜のような匂いが混じっている。いや?バニラ焦がし系かな?
 
 口をつけてみると、口当たりはびろうどのように滑らかで、そこから急転直下、炸裂する果実味がドッカーン!と舌の真ん中を滑り降りてくる。それでいて後味は余韻長く、ほんの少し苦みを伴っている。タンニンは柔らかくて、果実味のお供といった雰囲気。なかなかのワインだと思いきや、軽い夕食に合わせてみると見事にトラットリアなワインというか、喧嘩せずに違和感無く付き合ってくれる。
 
 それにしても丁寧につくられたモンテ(以下略)だ!二杯目に入ると、カラメルみたいな香りと、チョコムースみたいな柔らかな匂いがぷーんと漂ってきて、口当たりは相変わらず円やか。心地よさの次元、香りのリッチさの次元が、そこらのモンテプルチャーノ・ダブルッツォとは全く違う。倍の値段がするだけのことはある、と認めざるを得ない感じ。
 
 ※二日目は、ちょっとリッチさが衰えたような気がする。でも集中力は衰えず、芯のあるワインだった。