北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1194】Chateau Calon-Segur Saint-Estephe 1996

 
シャトー カロン・セギュール [1996]
 
 このワインは、春のワイン蔵整理の際にセラーから弾きだされて、一か月以上前からワインを立てて飲もうと計画していたもの。ただ、五月が予想以上に暑かったので、もしかしたらダメージを受けているかもしれない、でもこれ以上放置もできないので抜栓。
 
 まず、色合いは「赤茶色」に近い色合いで、かなり暗くて不透明に近いような色合い。ボルドーの古いワインとして矛盾しない雰囲気を漂わせている。で、抜栓すると、柔らかいチョコレートミルクの香りがバーンと飛び散ったけれども、グラスに注ぐとニスのような香りが物凄く強い。それと、びっくりするほど!ピーマンです!これだけ年食ってるのに、なぜか猛烈にメルローピーマン系の香りがする。甘い香りは、ピーマンやニスの香りの奥から一応漂ってくるけれども、初手ではあまりおいしくなさそう。
 
 で、口をつけてみると……うわぁ、渋い!酸っぱい!結構苦い!快楽らしきものは見当たらず、後味はへんにくどくてしつこい。ラベルのかわいらしさからかけ離れた、愛嬌の乏しい姿。ただ、余韻は意外なほどきつく、酸味や渋みは強いけれども大柄なワインと感じる。でも第一印象はよろしくないなー。
 
 グラスに顔を突っ込んでみると、煮豆のような香りと、出来の悪い果物を煮詰めてジャムにしたような「あまり美味くないけれども何かが凝集したような」風味が口に流れ込んできた。かと思えば、許しがたいほど何も風味が来ない時もある。一時間ほど放置しておくと煮豆のような香りが前に出てきて、新鮮な果実を搾った感覚に近付いた。でも変化はここまで。これぐらいはブルジュワ級のワインでも経験するもので、この価格帯のワインとしては失格だと思う。それともぎりぎりまでセラーに寝かせておくべきだったか?明日に残したぶんがどれぐらい頑張ってくれるか。
 
 ※翌日の香りは、プロパンガスと腐った切り株めいた感じになって、急に立派な面持ちに。ニスとジャムが溶け合って、気持ちの良い香りになってきた。味は概ね昨日と同じだけど、香りは絶対に二日目のほうが優れていると感じた。ただ、値段に見合ったものではないなー。ボルドー慣れしていないだけかもだけど、感銘の度合いもおいしさの度合いもはあまり高くなかった。