北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

無題

 
 今日の夕食は、某所にてフレンチ。8000円のコースということでお願いした。ワインは何にしようかリストをお願いすると「この店にはリストがありません」とのこと。ただ、相当色々ありそうな気配は漂っている。でもお店の人にお任せで泡・白・赤を恃む手順で。
 
 1.うにとコンソメのジュレ:鮮やかなオレンジのウニにアマレットみたいな色のコンソメジュレ。生臭さ無く、いっそ清々しい風味のウニ。薄いわけではないけれども濃かったり重かったりすることもなく。最初の泡はヴァンムスーを山盛り注いでもらったけれども、キリっとした酸でだれるところのない味、ウニともしっかりお付き合いしてくれる。たぶんもっと濃いシャンパーニュ持ってきてもなんとかなったんじゃないかとか。
 
 2.地元の岩ガキを八分割ぐらいにして、ラディッシュの細かくしたやつと一緒にまぜてビネガーを中心としたたぶん色々にサラダっぽく野菜を盛りつけたもの:見た目だけだと全くフレンチっぽくない。うげー牡蠣は苦手だーと思いきや、そこはそれ、全く爽やかで臭みなどとは無縁、内臓な部分はミネラリーで濃厚なのに、これがまた苦手なはずの自分にも旨い。野菜のひとつひとつとラディッシュの欠片と一緒に頂くも良い感じ。むしゃむしゃ食べてしまった。 これを平らげる頃にヴァンムスーが無くなったので、白ワインの登場、ボルドー製のソーヴィニオンブラン。嫌な匂いはしてこなくて、あくまですっきり爽やか、僅かに草原のような香りがする。料理に負けてしまっているような気がする。
 
 3.オマール海老のスープ。定番ながら、やっぱり濃厚、呑み込んだ後もしばらくこってりとした余韻が続く幸せ。オマール海老の黒い卵が入っていて、これがまた食感があり、キャビアとは違うけれども少し塩味がして楽しい感じ。敢えて問題点を挙げるとするなら、ソーヴィニオンブランがこのスープに完全に負けてしまっていること。もともとあまり得意な品種ではない&スープの美味さに負けちゃっているっぽいので、ここはスープに割と専念。それにしても、このお店のワインの注ぎ方はイタリア風というか、ソーヴィニオンブランもなみなみと注がれていてたいした量。これで赤ワインも呑んだらハーフボトル分ぐらいになるんじゃないか。
 
 4.さあ魚料理だ……と思って出てきたのは、あれっクロアワビのソテー(ドライトマトを織り交ぜて、空豆を添えて)。えーっ?びっくりだ!しかし、ここまでひたすら濃厚料理路線を突き進んできて迷うところがない。それでも意外とスッスッと入ってきちゃうからまあいいや。アワビはちょうど良い柔らかさ、空豆とトマトとアワビの相性が絶妙。今日のコースのなかでは最もさっぱりしていて、相対的に、ソーヴィニオンブランでもいけている。
 
 5.肉料理が来る前に、お隣のテーブルの人達とワイン談義に華を咲かせつつ赤ワインに交代。派手なところはないけれども肉料理に合いそうな赤ワインをなみなみと注いで頂いた。肉は羊、もちろんおいしいけれども、ここまでの派手なシーフードに比べると割と普通な感じ。もちろん十分おいしく濃厚なんだけど、ワインが回っている&お店のマスターも織り交ぜてのワイン談義が忙しいせいか、あまり頭に残っておらず。会話のほうが面白かった。
 
 6.でもって、アーモンド主体のアイスクリームのデザートにコーヒー。最後まで濃厚だったけれども大満足。ワイン代は3杯+サプライズいろいろで2500円、信じがたいコストパフォーマンスで大変幸福だった。