北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1294】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2010

 
ラ・プス・ドール ヴォルネー プルミエ クリュ アン カイユレ
 ※リンク先はヴィンテージが異なるかもしれません。
 
 このワインは、定点観測対象にしているヴォルネ一級畑カイユレの2010年産。以前、2009年産を早呑みしようとしたら全然カチコチでせっかちさを呪ったことがあったけれども、あれから時間が流れ、こいつは2010年産なのでもう少し早く呑めるかなと思い、思い切って抜栓。
 
 まず見た目。おおおっ!薄い!薄いぞ!なんだかヴォルネらしい薄くて明るいワインレッド。前回2009に比べて間違いなく薄い。でもこれは歓迎しましょう。で、香り。チョコレート苺大福のような美味そうな香りがぷんぷんと漂ってくる。グラスに鼻を近づけると、雨の日の土のような匂いがドカーンと漂ってきて、その奥に梅ジャムと苺ジャムのような香りが潜んでいる構図。すげー。
 
 で、口をつけてみると、ソフトな苺ミルクじみた甘い風味がパッと広がり、その後からタンニンがじわじわっとやってきた。酸味はあるけれども人を怯えさせるものではなく、甘い風味と矛盾しない、なで肩な酸味でキュートですらある。とりあえずの印象としては「小柄で大変かわいらしいワインにタンニンの骨組みが似合わない」とは感じるけれども、そのことを除けば麗しい軽量級ワインではある。はてさて、中途で辻褄が合ってくるか。
 
 呑み進めると、果実味のソフトさが段々と硬く・力強くなってきて、タンニンと相まって「ヴォルネだけど力強い」「軽いけれども凄い馬力」「切れ味抜群」の恐ろしいワインに。トマトペーストのような凄いエキス分も伴うようになって、酒飲みのワインになってきたぞ!すげぇ、2010でこれだとしたら、あの2009は一体いつが飲み頃なんだろう?これは立派なワインですよ、驚きました、こういうの嬉しいですね。この「切れ味抜群」感は絶対に記憶しておこう。
 
 ※二日目は、果実味が硬く力強くなった昨日の後半みたいな呑み心地からスタート。かといって、ヴォルネらしい伸び伸びとした呑み心地と、あの妙な「切れ味」はちゃんと保たれている。つっかえるところがない。終盤にやや酸味が勝ってきたかもだけど、それを差し引いても美味い。なんということでしょう。