北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1383】Calera Mills Pinot Noir 2010

 
カレラ ミルズ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 カリフォルニアのカレラはお気に入りのメーカー。来月、もしかしたら格上ワインを飲む機会があるかもしれないので、数年ぶりにミルズを呑んでみることにした。ミルズはカレラの赤ワインでは「薄口」だったはず。
 
 まず見た目。ごく普通にピノ・ノワール色をしていて、あまり濃い様子ではない。感覚としては、我が家でお馴染みなコート・ド・ボーヌの村名格~一級の赤と何も変わらないような。香りを確かめると……えっ?何故かアセロラっぽい香りがプーンと立ち上がってきた。そのアセロラ臭の後ろから、こんもりとイチゴチョコレートみたいなフレーバーがこみあげてくる。初手の匂いチェックでは、オーセイ・デュレスのやつを連想した。
 
 口に入れてみると、これまたオーセイ・デュレスっぽい(というよりあまり高級ではないコート・ド・ボーヌに時々あるような)アセロラっぽさが。あるいは遠い昔、ラモネのシャサーニュ・モンラシェで経験したような。ただし、苦みとコクはそれらよりもずっと濃くて骨太。果実味は新鮮さが炸裂するタイプではなく、苦みやコクと融合して滋養豊かと感じられる。でもって、ミネラル!ミネラル来た!石灰岩や貝殻のような風味がこみあげてきた!濃くて滋養豊かで「なんだ、ミルズって濃いワインだったのか」と思ったけれども、その濃さの上にアルカリ土類金属めいた感覚がせりあがってくるさまが楽しい。濃くてもやっぱりミネラリーなんですね、ミルズ。前回もそうだけど、これだけ貝殻臭いピノ・ノワールは記憶には無い。
 
 そうこうしていると、果実味が香りに宿ってきてチャーミングな雰囲気も宿るようになってきた。すごく新鮮だ!来たぜサクランボ!と思ったら、凄い煙たい雰囲気とブルゴーニュの赤ワインっぽいスレンダーさを見せてくれたり、なかなか侮れない。チェーンソーで木を切り倒した後みたいな精気まで感じられてびっくりした。ミルズ、高くなっちゃったけれどもお値段以上の出来栄えだ。
 
 ※二日目。強烈な梅の香りから立ち上がってきた。そして前日の風味によく似ている。やっぱり美味い、同価格帯のコート・ド・ボーヌのワイン達とまったく遜色ないし、あちらと違って、理路整然としていると感じる。