イエルマン トラミネールアロマティコ
このワインは、イエルマンのトラミネール・アロマティコ。ゲヴュルツトラミネール系なんだろうけれども、イタリア産は名前が違って、味も香りも微妙に違うような気がする。イエルマンのこの品は、遠い昔に飲んでおいしかったけれども、品薄&割高だったので長いこと再会し損ねてきた。今回はどうだろう。
まず見た目。意外と薄めというか、見た目は普通の白ワインっぽい感じ。ただ、香りは面白くて、この系統のワインにありがちなライチとパイナップルに加えて、ヒヤシンスのような濃ゆい植物臭が立ち上がってくる。
口をつけてみると、やはりゲヴュルツトラミネール直系とはちょっと違って、ちょっとバターっぽい厚みとコクのある味が口に広がった。ゲヴュルツ~にありがちなパンパンな豊満感ではなく、むしろブルゴーニュ高級白ワインに近い雰囲気と感じられて、後味にもバターで炒ったナッツのような感覚が長く残る。それと、目の覚める爽やかさが潜んでいて、元気が沸いてくるようなところがある。これ、ブラインドで飲んだら何って答えているんだろう?
それはともかく、風味と味に起伏、というより振動が感じられて、ある局面ではライチ&パイナップルが、ある局面では瑞々しさが、別の局面では高級系シャルドネっぽさがせり出してきて、この価格帯の白ワインとしては法外な美味さ。ジャンルは違うけれども、個人的にはエティエンヌ・ソゼの平格ブルゴーニュと良い勝負をしていると思う。今日の夕食は甘鯛のグリルが中心だったけれど、これとも意外と歩調を合わせてくれて好感が持てた。
※翌日もほとんど痩せず、面白い顔つきを繰り返すワインであってくれた。いやあ、美味い。