北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1627】Domaine Leflaive 1er Cru "Sous le Dos d`Ane" 1999

 
ルフレーヴ ムルソー スール・ド・ダーヌ
 ※リンク先は、シャルドネに植え替えてムルソーになってしまった、かつてのスール・ド・ダーヌです
  
 続いて、ルフレーヴが作っていた、ブラニーの一級赤ワインを。なんでもルフレーヴは、21世紀初頭に、このブラニーの畑の赤ワインを全部引っこ抜いて、シャルドネに植え替えた(そして、シャルドネに植え替えたことによって、ワインはブラニー一級を名乗らずムルソー一級を名乗るようになった)のだとか。だから、ルフレーヴ製のブラニー一級を名乗る赤ワインはもう二度と手に入らないんだという。
 
 まず見た目。ピノ・ノワールとしては濃く、さきほどのエルミタージュと比較しても遜色はあまりない。ただし、こちらはさすがに透明感があってルビーのようではある。匂いは、エルミタージュとは異なる獣っぽさ――皮っぽい風味が強い。その後から森の下草が来る。このワインからは、桐箱っぽさはあまり感じられないけれども、代わりにといってはなんだけど、鉄砲漬けのような濃い系漬け物の風味を伴っている。
 
 で、口に入れると、甘さや果実味が来ない。かわりに、すごく栄養があり、飲み応えのあるオーガニック-エキスが流れ込んできた。ムキムキに筋肉質なピノ・ノワールで、エルミタージュの後に呑んでもびくともしない。こりゃあ凄いパワーだ。当初、甘味があまり感じられなかったけれども、やがて、じわじわと甘酸っぱいピノ・ノワールらしい果実味が混入してきて、気疲れしない余韻が残るようになってきた。
 
 筋肉ムキムキな、これも好みとは言えないピノではあるけれども、それでもピノの優しさ、チャーミングさを兼ね備えているあたりが興味深いワインだった。以前、ブラニー一級のフェヴレのワインを試した時には、ムキムキはしていなかったけれどもややこしいワインだったみたいだ。ブラニー、面白いワインだけど、ちょっとややこしすぎかも。