ジョセフ ロッシュ ヴァン ド ペイ ドック シラー
このワインは、フランス南西部で作られた「Vin」規格のワイン。「Vin」規格は昔のテーブルワイン規格に相当するもので、要はテーブルワインってことでしょう。チリを代表する安ワイン、コノ・スルのシラーを呑んだ後なので、それとの比較が気になるところ。はたして。
まず見た目。とても黒々としていて暗いワインレッド。透明度もあまり高くなくて、コノスルのシラーの記憶とそんなに離れていない。香りも似ていて、お線香を煮詰めたジャムと木とインク系の香りがもうもうとこみ上げてくるような。甘い匂いと背筋を伸ばしたくなる匂い、両方。
口に入れてみると、これは大分違う。酸味がしっかりしていて明るい味。お線香の風味もあるし、ジャムジャムした果実味もあるんだけど、こいつはどこか軽やかで二日目以降に酸っぱくなってしまうのでは、と心配したくなる(そしてシラーをボトル一本丸ごと一日で呑むなんて、嫁さんに手伝ってもらっても無理だ)。コノスルのシラーに比べると重心が軽いワインで、食事に合わせるならこちら、単体でのインパクトはあちらといった感じ。そこはそれ、チリ産の安ワインとフランス産の安ワインの違いを象徴しているようで、使い分けの余地があるなぁと感じた。
※翌日は、もう少し酸が強くなった気がするけれども概ね変わらず。デイリーユースとしては十分。