北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1694】Paul Jaboulet Hermitage La Chapelle 1978

 
エルミタージュ・ラ・シャペル ルージュ [1999] ポール・ジャブレ・エネ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 さらに、ローヌ北部の古いワインの登場。色はごっつい黒々、すごく濃い。香りは、初手からビーフジャーキーが匂い立ち、「玉葱のような匂い」という話も。なるほど、確かにこのワインは玉葱っぽい。エルミタージュのワインって、多かれ少なかれ、こういう料理っぽい匂いがするけれども、こいつはとりわけビーフジャーキーやベーコンと玉葱を使った料理のような匂いがする。そこに、もの凄い量の謎めいた香料をぶっかけたような。ブルゴーニュの薫り高いワインは、しばしば香料が匂うけれども、こいつはもっとクセのある濃ゆい香料というか……なんと表現すればいいんだろう。
 
 で、口に運んでみると、これがやけに普通にエルミタージュしている。タンニンの主張も、シラー由来とおぼしき果実味も全然健在、だから「熟した」というより「まだ若い」という感覚がある。自宅で若い(そして安い)エルミタージュを開けている時に感じるのに近い感覚を伴っていて、こいつが40歳のワインとは到底思えない。このワイン、ここがゴールだとは全く思えない。さらなる発展の可能性があるように思われ、末恐ろしいとしか言いようが無い。