禅の里わいん 甲州 2015
このワインは、先日マスカットベリーAを試した石川県のワイナリーのワイン。今度も日本独自品種の甲州、果たして国産らしい風味かどうか。
グラスに注いでみると、ほんのり緑色がかった、無色に近いワイン。シャルドネなどに比べると「薄いグリーンなワイン」という印象。香りは、マスカットに近い香りがするけれども、マスカット純系のモスカートやミュスカデに比べると、本当の果物マスカットに近いおいしそうなやつが香ってくる。それとパラフィンだ。パラフィンっぽい揮発臭がほんのり添えられている。
口をつけてみると、今度はミュスカデに似ていると感じるけれども、パラフィンっぽさと苦みがあって面白い味がする。今までにも甲州の安物を飲んだことはあったけれども、そのときに感じた「苦いミカン水」という感覚に近いものがあるけれども、この甲州はえらく骨太というか、苦みがそのままミカンの皮と接続して、重量のある飲み心地をかたちづくっている。それでいて、瑞々しさを決して忘れることがないため、気持ち良くグラスが進んでしまう。甲州というと、なにか飲みやすくて無難なワインというイメージがあったけれども、こいつはそうじゃない。もし外国のワイン愛好家に「甲州を飲ませてくれませんか」と頼まれたら、このワインを推薦してもいいんじゃないか。北陸でここまで太いワインが作れるとは思わなかった。記憶しておこう。
※二日目は、初日よりも線の細い印象になった。ただ、線が細くなってみると、意外にミネラルがあったことに気づかされた。つくづく不思議なワインだ。