北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1760】Jermann Cosi Sia 2011

 
イエルマン コジ シア
 
 このワインは、イタリアはフリウリ-ヴェネツィア-ジューリア州の定番メーカー、イエルマンが作っている土着品種系ワイン。このワインは最近まで日本国内に入っていなかったもので今回が初対峙。このメーカーのワインとしては上位ラインナップなので、お手並み拝見。
 
 グラスに注ぐと、わずかに緑色の入った、かなり黄色っぽい色。まるでどこかのシャルドネみたい。香りも、少なくとも初手ではまるでシャルドネのよう。我が家でよく飲むヤルデンのシャルドネから石灰岩風味を抜いたのような、カスタードがかった甘さと少し南方っぽいフルーツポンチめいた甘さを伴ったはちみつ系の匂いがこみあげてくる。
 
 口に含むと、なんとも甘くて、カスタードプリンのような甘さに白ワインの酸味や果実味が伴うような。このイエルマンの作でいえば、トラミネール・アロマティコが近いか。口のなかに含むと、どこまでもカスタードが追いかけてきて、そこに夕張メロンのような甘くてうるおいのあるニュアンスが伴う。このワインの甘さはかなりのもので、ソーテルヌやハンガリーのトカイほどではないけれども、はっきり甘く、液面もとろみが強い。そのくせ、白ワインにあってしかるべき酸やミネラルは一人前に持っていて、そうした甘味とフルーツっぽさがかなり長く後をひく。
 
 このワインは、土着品種・フリウラーノを主体につくられているらしいけれど、フリウラーノがこんなに甘めにつくられるとは想像していなかった。てっきりトラミネール・アロマティコ主体だと思いきや。こういうワインは個人的には結構好きだけど世間にはあまり売られておらず、はやってもいない。もうちょっと低価格帯に、こういう筋がいろいろ揃っていたら嬉しいのだけど。
 
 ※二日目。リッチなシャルドネのような豊満さとさっぱりした感覚、クッキーや蜂蜜に、やはりカスタードプリンや夕張メロンが伴って、とにかくこってりとリッチな甘口。本領を発揮しているのは二日目。ここまできてようやく、価格にみあったワインであることがわかってきた。また買うかと言われると躊躇するけど、いいワインなのは間違いない。