北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1812】Etienne Sauzet Puligny-Montrachet 1er Cru la Garenne 2011

 
エチエンヌ・ソゼ ピュリニーモンラッシェ ラ・ガレンヌ
 
 ブルゴーニュワインは異様に値上がりしていて気楽には飲めない飲み物になってしまいつつあるけれど、まあその、たまには飲んで様子を思い出しておきたいと思い、洞穴から取り出してきたのは、エティエンヌ・ソゼが作っている「一番安いピュリニーモンラッシェの一級」。ほかにもシャン・ガンだのシャン・カネだの色々な一級畑があるけれども、このガレンヌは格がちょっと下。でもって、2011年というヴィンテージもあまり大したことはなかったかと思う。
 
 グラスに注いでみると、意想外に金色。ピッカピカの金色ワイン。で、香りは蜜と蝋の匂いがグラスの外側にもぶわーっとあふれてくる。おお、すごい、こういうのはイスラエルのお買い得シャルドネ(ヤルデンシリーズ)には無い。特級ほどではないにせよ、大理石の床+蜜壺という連想が浮かぶやつが来る。
 
 口に含むと、まずはまったりと甘い。少し杏がかったニュアンスやキノコっぽいニュアンスもあって、それなり熟成しているとみた。酸の後から、シャブリ一級もかくやというミネラルな後味が口のなかに残り、これがワインの骨格をかたちづくっているのがわかる。それでいて、果実味が過不足なく伴っていてこれが気持ち良い。押しつけがましいほど果実味が強いのでなく、抑制の利いた、適度な果実味で酸味とのバランスがとてもいい。ややスリムなワインに仕上がっているけれども、ひたすら端正。後半には梅の香りがふんわりとよぎることも。うん、素晴らしいですね。値上がりするのは致し方ないところか。
 
 ※翌日は少しスリムの度が過ぎて、高いシャブリに近い飲み心地になってきた。あるいは、ちょっとチープなコルトンシャルルマーニュといったような。このあたりはヴィンテージの弱さを反映しているのだろうけれど、それでも並みのシャルドネよりはよっぽど香り高いし品も良い。ガレンヌ、けして悪い一級ではないとは思うけれど、昔はこれが半額ぐらいで買えたことを思うと、いろいろ思うところはある。