北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1822】Chateau Lanessan Haut-Medoc 2012

 
シャトー ラネッサン
 
 最近、フランスの赤ワインはローヌの比率が高くなって、大好きなブルゴーニュの赤ワインを飲むことが少なくなってしまった。でもってボルドーは元々たいして好きではなかったし、信じられないほど値上がりしてしまっているので放置状態が続いている。で、久しぶりに手の出しやすい値段でかなりしっかりしていたとおぼしきラネッサンを連れてきてみた。
 
 まず見た目。ちょっと赤茶けた暗いワイン、それでいて濃さはそれほどでもない。先日の、もっと安い価格の秀逸なボルドーに比べると色合いが薄く、透明度がある。香りは、グラスをゆさぶるとチョコレートの香りがたちのぼり、鼻をつっこんでクンクンすると煙突系の香りが強烈に来る。うまそうだ。
 
 口をつけてみると、非常に静かな面持ち。甘さ控えめ、果実味も気張りすぎず、ミルキーだけどタンニンのせいか粒度のある柔らかな飲み心地。さすが、先日の安ボルドーと比べてもワンランク上質だ。粒度があるタンニンだけどつっかかってくるところがなく、口のなかにするすると入ってくる。そういう飲み心地に、後を引くように続く煙突系のスモーキー感が伴っていて、これもまたいい。時折、ザラメ糖や蜂蜜のような強烈な甘味を感じる瞬間があるけれども、あっという間に消えてしまうのでちゃんとワインのほうを見つめていないと見落としそう。中盤、トマトみたいな野菜系のエッセンスも感じられてちょっと驚いた。安ボルドー系ワインの系譜ではあるのだけど、その一挙一動が丁寧。派手ではないけれども堅実、それでいて味わいはしっかり。さすがラネッサン、いいワインだ。
 
 ※二日目。 ちなみに、二日目は密封容器にあらかじめ封印しておいたものを飲んだのだけど、一日目のぶんをボトルから飲み終わった頃に澱がかなりボトルにみられたので、このワインは割とぎりぎりまで熟成していた(あるいは温度その他で変性していた)かもしれない。