北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1859】Domaine Michel Guillard Gevrey Chambertin Vieilles Vignes La Platiere 2012

 
ミッシェル・ギーヤール ジュヴレ・シャンベルタン ヴィエーユ・ヴィーニュ ラ・プラティエール [2012]
 
 まず見た目。ピノ・ノワールとしてもやや早飲みっぽいというか、少し青紫色がかったところがあってあまり濃くないようにみえる。香りは、ややくぐもってはいるけれどもドスの利いた、低音がじーっと聞こえてくるような香り。このあたり、同じブルゴーニュでもひいきにしているヴォルネとはぜんぜん対照的。ヴォルネのかぐわしさはソプラノ的だけど、こいつはテナー~バスといった雰囲気。派手ではないけれど、重たさがある。重たい匂いだ。
 
 口に運んでみると、ビターがほんのり、黒系果実の甘味もほんのり、でもって、重くはないんだけど重心が据わっていて飲みごたえのある口当たり。ボルドー系の落ち着いたたたずまいに意外に近いところがあり、香りでアガってくるのでなく、重心が低めの落ち着いたテイストでじっくり飲ませるところがある。うむむ、こういうのはヴォルネのワインとは明らかに趣が違っているし、平格のブルゴーニュ赤ワインにもあまり無い感じだ。クロード・デュガあたりの(やや高級な)平格ブルゴーニュ赤ともちょっと趣が違う。重心の重い、飲みごたえ抜群のワインだ。でもって、少しずつ黒系果実がじりじり増して、それに応じてかタンニンもスケールアップしていく。なんだこれ、村名格のジュヴレ・シャンベルタンでこれだけパワーがあるとは驚きだ。ジュヴレ・シャンベルタンの村名格はほとんどスルーしていたけれど、こういうの飲むとちょっと考えてしまう。
 
 念のため、ジュヴレ・シャンベルタンの地図でこの「La Platiere」を確認すると、国道の東側エリア、特級や一級の畑からは遠く隔たった「あまり評判の良くないエリア」でつくられていることがわかる(でもって、関連情報をちゃんと公開しているウメムラさんは偉いと思う)。へえ、「あまり評判の良くないエリア」でもここまでの仕上がりになるだなんて。こういうタイプのピノ・ノワールはあんまりよその地域に無さそうので、代替可能性が乏しそうでもある。ちょっと見直した。