北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1889】Laurent Roumier Clos-Vougeot Grand Cru 2011

 
ローラン・ルーミエ クロ・ド・ヴージョ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 ちょっと気力が足りないので、久しぶりに気力を横溢させるようなワインが飲みたいと思い、こいつを選んでみた。これはとあるワインの人から「シロクマさんにはローラン・ルーミエがおすすめ。お手頃メーカーとしてはたぶん気に入ると思う」という言葉を受けて選んだもの。
 
 まず見た目。うっすらと赤茶色の、ピノ・ノワールとしてはちょっと濃いとみえる色。抜栓した時から、ときめくような甘い香りがあたりに充満して香りの点検に気持ちがはやる。香りは……チョコレートムース!その横に梅ジュース、それと、木の枝を引き千切った時系の精気がぐわーっとこみ上げてくる!チョコレートムースはたちまち濃い系のチョコレートへと変化していく。森の切り株もある。最初からそろい踏み。
 
 口をつけると、穏やかな飲み心地に思わず口がほころぶ。梅系の酸味もあるのだけど、少しざらざらとした舌触りにコーヒー牛乳のようなまろやかなコクがくっついていて非常に飲み心地が良い。かと思えば、後味には精気感とサクランボのかわいらしい果実味がじんわりと残る。2011年というヴィンテージのせいか、なんとなくアルカリ土類金属っぽい雰囲気が伴っているけれども、これも減点の対象になるようなものでもなく。
 
 飲み進めると、アルカリ土類金属っぽさが存在感を示してくるのだけど、「きつい」と感じるでもなく、舌触りはますます柔らかくなって非常に付き合いやすい。香りに桐箱も差し込んできて非常にいい。このワインには「濃さ」「重さ」をあまり感じなかったけれども、もとよりそんなものはブルゴーニュの赤ワインにはあまり期待していないものなので私はこのワインはいいと思う。2011年というオフヴィンテージだからかもだけど、こういうワインはいいと思います。
 
 ※翌日は、もう少し穏やかな性質のワインになった。非常になで肩で、それでいて昨日の香りの豊かさは残っている。濃さや重さを重視するのでなければ、これはアリだと思う。いいワインを経験できた。