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このワインは、旅先で見かけた見覚えのない安スプマンテ。まあ、フランチャコルタやプロセッコではないスプマンテなんて量産型スパークリングワインの鑑みたいなやつでしょう、と思いつつ、知らないワインを飲むのはやっぱり気がはやる。こいつはエミリアロマーニャ州でつくられているとのこと。果たしてどうだろう。
まず見た目。うん、色のうっすーいスパークリングワインながら、泡はこもこもとしっかり立ち上っている。スプマンテはこれぐらいでもう合格。香りは、軽いかんきつ系のフレーバーに加えて、残念ながら、ほんのちょっぴり葡萄生臭系の匂いが混じっているような気がする。キュウリみたいな匂いとでもいうか。でもスプマンテだから文句は言わない。
口をつけてみると、意外に酸味が強くてびっくり。ちょっと強炭酸に近い、きっつい酸味で、既知の白ワインのなかではカンパーニャ州の白ワインたちに近いような、粗い酸味が押し寄せてくる。その点を除けば、かんきつ系とはいえ味の輪郭はまろやかで、この手のスプマンテにしてはふっくらとした飲み心地もある。もちろん重い飲み心地ではなく、軽っ!としていてそれはそれでお似合い。スペイン産の安カヴァのように金属系の風味がキンキンするのでなく、むしろ金属系未満のところで留まるような感覚が粗い酸味に伴っていて(これは、カヴァに慣れている人にしかわかりにくい表現かもしれない、あの安カヴァのキンキンの手前みたいな感じ)、これがまた飲み心地の一端を形成している。暑さの残る時期によく似合うスプマンテ。スプマンテなので、これで合格。