北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1930】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2009

 
プス・ドール ヴォルネ一級 エン・カイユレ 2013
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、我が家のヴォルネコレクションの少なくない割合を占めている、プス・ドールのヴォルネ一級カイユレ。カイユレはヴォルネの一級畑のなかでも特に長熟といわれていたので、最近はオフヴィンテージのものしか抜栓していなかったけど、遂に、2009年のヴィンテージが10年を迎えたので、士気を高めるべく、いただいてみることにした。
 
 まず、グラスに注いでみると、ヴォルネにしてはちょっと濃いめのワインレッドで少し焦げ茶色が入っている感じがある。グラスのへりが茶色っぽくて熟成してますよといった雰囲気。香りは、グラスを持ち上げるたびにチョコレートドリンクっぽさがふんわり。深く香りを吸い込んでみると、ほんのり湿ったような、雨の日っぽさを帯びた葡萄果実の香りがばんばん香ってくる。それとほんの少し鰹出汁みたいなブルゴーニュ熟成香も。それらの香りの芯にはチョコレートっぽい甘い香りが存在している。
 
 口をつけると、穏やかなアタックに盛りだくさんの果実味。ちょっとバターっぽさを帯びてもいて薄いワインとは感じないけれども、呑み込むまでの余韻はあくまで軽い。プス・ドールのカイユレは今までにも飲んだことがあったけれど、これが今までで一番余韻が軽やかだと思う。それでいて果実味の奥に亜鉛アルカリ土類金属っぽいミネラルも潜んでいたりする。飲み心地は軽やかなのに、味覚と嗅覚のバリエーションはさすがとしかいいようがない。飲み進めると、果実味にアセロラっぽさやメロンっぽさまで帯びてきて飲み応え抜群。これは良いカイユレが良く熟成した感じで円満な仕上がりとみた。プス・ドールのワインはイマイチなんじゃないかと疑っていてすみませんでした。優れたヴォルネ一級です。
 
 ※二日目。なんと森の下草やトリュフみたいな香りが加わり、グラスのまわりが凄い香りに。これは幸せ。今日も良い出来です。