北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1957】Robert Groffier Chambolle Musigny 1er Cru Les Sentiers 2009

ROBERT GROFFIER 1er Cru Les Sentiers
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 ブルゴーニュ北部、コート・ド・ニュイ地区のワインは、高い。昔から高かったけれども、今では本当に、バカみたいに高くなってしまっている。ブルゴーニュのワインが好きになってからも、北部のものはあまり買っていないし、このシャンボール・ミュジニー系列のワインはとりわけ手つかずのまま。だって高いんだもん。それに、同じブルゴーニュにはヴォルネという、かつてお買い得だったエリアが存在していたから。が、まったく手つかずなのもクンフーにならないと思うので久しぶりに奮発。モノは、シャンボール・ミュジニーを代表する生産者のグロフィエ、その一級畑。ヴィンテージは2009、よほどのことがない限り、これが駄目なワインってこたぁないでしょう。
 
 まず見た目。ちょっと赤茶色がかった、淡いワインレッド。熟成したピノ・ノワールっていう印象そのもののガーネットな輝き。とても綺麗でよろしい。香りは、少なくとも初手では閉じこもっている様子。アセロラ系果実、赤系果実の香りとチョコレートがグラスの奥でくぐもっている。ところが手のひらでワイングラスを温めると……このチョコレートの香りがなんともかぐわしい。きついチョコじゃなく、ミルクチョコレートみたいなやつ、僅かにベーコンみたいな香ばしさも混じっている。
 
 口に運ぶと、おっそろしく軽々としている。そして赤系果実!アセロラみたいな褪せた果実味でなく、もっと甘みのしっかりしたチャーミングな甘さなんだけど、ふしだらな甘さではない。タンニンは軽めだけど、ちょっとアルカリ土類金属みたいな苦みがきつい。が、全体像としては居住まいを正さずにはいられないような、気品のあるスタイルを提供している。これがシャンボール・ミュジニーの力か!ヴォルネとはちょっと路線が違っているぞ。飲み進めると、軽々としているのにアルカリ土類金属感が強まって飲み応えが高まってきた。済ました骨太の美女、といったところか。
 
 ※二日目は、土類金属っぽさから、より土っぽいフレーバーが強まった。おや、こんな側面もあったとは。少しビターな、しゃんとしたピノ・ノワールだ。