北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1997】St. Maddalena Gries Cantina Bolzano Bozen Lagrein Südtirol Alto Adige DOC 2018

St. Maddalena Gries Lagrein Cantina Bolzano
 
 このワインは、ごくたまにしか飲まなくなってしまった、北イタリアはアルト・アディジェ州の土着品種、ラグレインでつくられたワイン。今日の夕食はすき焼きとソーセージと煮野菜なので、案外そういう料理に合うんじゃないかと思って登板。
 
 グラスに注いでみると、真っ黒かつ紫色の、カシスリキュールの原液そのものみたいな、ブラックチェリーを煮詰めたような、そういう色合いの液体が。見た目として、これだけカシスリキュールっぽいワインはあまりないと思う。香りは、若干のつちくささを帯びたサクランボ。その奥から香料じみた香りも漂ってくるけれども、最初のイメージは「土とサクランボが軽く香ってくる」感じだった。
 
 口をつけてみると、タンニンは軽め、ワインの体格はとても軽々としていて口当たりがミルキー。見た目からは想像できない、軽量級の体格をしているが、コクはしっかりとあって水っぽい残念さではない。チェリーの香りが口のまわりに漂ったり甘味が舌先をかすめたりしても大袈裟な感じがせず、穏やかなつくりになっている。ラグレインという品種はだいたいこんな感じだったと思う、いいつくりだと思うけれども有名な既知のワインとはだいぶ離れた趣向なので、ちょっと戸惑ってしまう人はいるかもしれない。
 
 ※二日目は、ちょっとタンニンが意識される滑り出しだったが、サクランボらしさは健在、溌剌としていて、それでいてコクのある飲み心地。カベルネメルローピノ・ノワールとは全く違った境地。