北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1998】William Fevre Chablis Grand Gru Les Clos 2011 (ハーフボトル)

 
シャブリ・グラン・クリュ・特級“レ・クロ”[2016]ドメーヌ・ウイリアム・フェーヴル
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 「シャブリの特級は10年寝かせなさい」とはよく聞くけれども、このボトルはハーフボトルで2011年という弱ヴィンテージ。一般に、ハーフボトルは早く飲み頃を迎え、弱ヴィンテージはいっそう早く飲み頃を迎える、とされている。じゃあ、早めに飲んでしまいますかと9年目の抜栓。
 
 グラスに注いでみると、ほんのり薄いレモン色でいかにもシャブリといった印象。香りは……なんだこれは?すごく甘い!はちみつ全開!どうしてこうなった? これが熟成したシャブリの姿なのか? うっすらと台所洗剤系というか、花のようなフローラルは残っているけれども第一に来るのははちみつとクッキーだ。ブラインドで香りだけ確かめると、ムルソーって答えそう。
 
 ところが口をつけるとやっぱりシャブリ。酸っぱくて、ちょっと苦くて、この苦みに強烈な鉱質、そう、マグネシウムとか貝殻とかを思い出させるすごいやつが伴っている。香りははちみつだけど味にはそういうところがない。やがて、青りんご、それも芯のついた青りんごみたいなフレーバーがぶわーっと漂ってきて寒い地方のシャルドネらしさが強まってきた。味は、欲も悪くもシャブリの一級に近いというか、ミネラルを楽しんでくださいよという雰囲気ながら、香りは恐ろしく華やかで、シャブリの潜在力を久しぶりに感じた。美人なシャルドネだと思う。