北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2008】Etienne Sauzet Puligny-Montrachet 1er Cru Champ Gain 2011

 
エティエンヌ・ソゼ ピュリニーモンラッシェ一級 シャン・ガン 2016
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 
 まず見た目。思いのほか薄い!うっすらとした白ワイン色で、昨日抜栓したブルゴーニュ白の平格と比較すると、僅かに緑色がかっていてより薄いぐらいに色が薄い。香りは……ほんのりと清々しい香りが来るかもだけど、あまり感じられない。隣の平格と比較すると、石みたいな香りはこちらのほうが強いけれども、甘い香りでたぶらかすようなものではない。
 
 口をつけてみると、ミネラルがはっきりと強いことがわかる。甘味や蜂蜜っぽさは控えめで、口のなかいっぱいに牡蠣のような強烈なミネラルがわーっと広がり、後味にもそれが残る。やがて、ふっくらとした香りや蜜っぽさが少しずつ開いてきて、細身のところでバランスがとれてきた。
 
 ここで、昨日の平格を口につけてみると、平格のほうが甘味がしっかりしていて味の輪郭がはっきりしている反面、繊細なあやを欠き、甘味やアルコールがやたらと残ってくどいことがわかる。と同時に、シャン・ガンには化粧箱のような不思議な香りがついてまわっていることにも気づいたりした。普通に飲むなら平格でもじゅうぶん旨いのだけど、さすがにピュリニーモンラッシェの一級の気品はそれをまったく上回る。やっぱり飲み比べも大事。
 
 ※二日目になると、驚くほど果実味がさっぱりとしながらも前景に出てきて、それでいて清楚。ゆったりとしたふくらみと昨日に引き続いてのミネラルで、細身のシャルドネという点は変わらないけれどもにっこり微笑んでいるかのようだ。かと思えば、桐箱と菖蒲の香りを全面にたたえて圧倒するようなところもある。2011年は悪いヴィンテージだと思うのだけど、悪いなりにバリエーション豊かな顔貌をみせてくれて驚きがあった。