ドメーヌ・ミッシェル・ギーヤール ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ クリュ レ コルボー [2012]
このワインは、村名格、それも量産区画として評判の悪い国道の向こう側でつくられている村名格が結構おいしかった小さなドメーヌのフラグシップワイン。フラグシップが一級という、それぐらい小さなドメーヌではあるんだけど、フラグシップには違いないので楽しみにしてよう。ヴィンテージは2012年、正直、あんまり信頼していない年ではある。
グラスに注いでみると、かなり黒々とした、暗いワインレッド。ピノ・ノワールとは思いにくい、なんだかカベルネやメルローでも開けたんじゃないかというような。
香りはつーんとアルコール臭がした後に、チョコレートっぽい甘い香りがゆったりとこみあげてくる。あとバタークッキー、それとイタリアの博物館、いや大理石+漆喰系というか、なかなかいい雰囲気をしている。
口に運んでみると、初手では意外にもサクランボのような甘酸っぱさがこみあげてきた。そこに、バターやコーヒー系のコクがしっかりと伴っていて、味覚のなかでテナーのような役割を果たしている。キュートなサクランボとコクが同居していて、それでいて分裂するでもなく調和がとれている。タンニンは控えめで口当たりはまずまずなめらか。付き合いやすいんだけどパンチ力というか、おなかがふくらみそうなワインに仕上がっている。フルボディ、という言葉がよく似合いそう。飲み進めると、次第に果実味のスケールが大きくなって飲みごたえができきた。これは、このメーカーの村名格よりもはっきりと優れた、一級のアドバンテージ。とても楽しいひとときだった。
※二日目もこれらの特徴は健在。香料みたいな神妙な香りもする。ちゃんとジュヴレ・シャンベルタンを飲んでるぞって感覚が得られた。