北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2057】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2012

 
プス・ドール ヴォルネ 一級 エン カイユレ 2017
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
前回、ブルゴーニュ赤ワインの散歩道をはじめようと思ってラファルジュのヴォルネ一級・シャトー・ド・デュック2013をあけてみたけれど、その印象が薄れないうちに地域やヴィンテージの共通するワインを飲み続けてみる。今回は第二弾、プス・ドールが作る同じくヴォルネ一級・カイユレで生まれる2012のワイン。2012は2013よりも作柄がマシなヴィンテージといわれているけど、プス・ドールはラファルジュに比べるといまいちなメーカーかもしれない。果たして、どうなるか。
 
まず見た目。思ったよりも濃いワインレッドで、暗さを伴っている。少なくともラファルジュのヴォルネ一級・シャトー・ド・デュック2013に比べるとずっと暗くて濃い。香りは、やはり夕張メロン系の香りがぷんぷんとしていて飲み頃感が漂う。それとチョコレートたっぷりにアセロラのような赤系果実、森の切り株のような香り(というよりプス・ドールのカイユレにいつもついてまわる香り)を伴う。
 
口に運ぶと、軽々とした飲み心地でまさにヴォルネ。熟成しつくしたシャトー・ド・デュックに比べると、かつおだしのような老成ブルゴーニュの雰囲気ではなく、まだまだ果実味がしっかりしていてニュニュっとした口当たりを初手から伴っている。みようによってはヤクルト・ヨーグルト系とも解釈でき、ブルゴーニュの赤としてはこういう乳酸・乳飲料系の口当たりを嫌う人もいるやもしれない。夕張メロンのような香りが、もう少しトロピカルフルーツ寄りに変わったり、生ハムメロンっぽくなったりする瞬間もあり、その香りの揺らぎがなかなか魅せてくれる。プス・ドールのカイユレは、いい時はなかなか良いけれど悪い時はあまり頼りにならないものだと理解しているけれど、2012は結構いい線いっている。ラファルジュのシャトー・ド・デュック2013に比べると元気かつ風味のバリエーションも豊かで良い感じだった。
 
※二日目は、もう少し落ち着いた雰囲気になってしまったが、香料系の食べ物っぽくない香りが前景に出る場面があって面白かった。先日のアンリ・ボノーを一瞬思い出すような。2012年であること、カイユレであることのおかげでかなり善戦してくれたのかもしれない。えらいえらい。