北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2107】Domaine Rene Cacheux et Fils Chambolle-Musigny Les Argilleres 2017

 
ルネ・カシュー・エ・フィス シャンボール・ミュジニー レ・ザルジリエール [2017]
 
このワインは、ブルゴーニュ地方の中核エリアに相当するコート・ド・ニュイでつくられている村名格のシャンボール・ミュジニー、その2017。ここ最近、ブルゴーニュ地方中核エリアの赤ワインはちゃんと寝かせたものばかり飲んでいたけれど、少し前にブラニー一級の赤がけっこう良かった。そこで、早飲みをもう一度やってみたいと思ってこれを選んだ。さすがに一級や特級では申し訳ないと思い、村名格をチョイス。
 
まず、グラスに注ぐとびっくりするほど蛍光赤紫色、というか、明るさにびっくりする。熟成したブルゴーニュ赤たちに比べると、断然カラースペクトルが青紫がかっている。とはいえ、たいていのワインに比べればまだ朱色っぽいかな? いやいや、グラスをじっと眺めていると蛍光ピンク~紫がかった、ちょっとケバい色にみえる。
 
香りは、チョコと赤系果実がしっかりと。熟れた果実やジャムではなく、食べられるようになって間もないような、爽やかさを伴った果実フレーバーが来る。慣れてくると、森っぽさがしっかりとこみあげてきて若飲み然としている。
 
口に運ぶと、うっ若い!果実味にこなれないタンニンを伴って、なんだか若いぞ。香りが若々しいのと同じく、飲み心地も「枝からとってきたばかりの果実」といった感じで若々しい。それが美味い、といえばそのとおりだけど熟成してゆったりとした構えのブルゴーニュ赤のほうが飲みやすい。そうだ、このワインは「まだ硬い」とも思う。が、二時間ほどかけていると、だんだん香りのバリエーションが豊かになってきて、強烈な梅系の香りやしっくい系の香りを伴うようになってきた。ほっこりしてきて、飲みやすさがある。一緒に食べた鮎の塩焼きとの相性はなかなかのもので、食べ終わった後、鮎の香りを思い出させるようなところがあって楽しい。これは早飲みでもいけてるのかな。でも、本当はもう数年寝かせてからいただいたほうが作法にかなっているのでは、とも思う。
 
※二日目。このワインも、二日目になると初日にあった香りのバリエーションがすっかり落ちてしまった。やっぱりブルゴーニュワインは数時間で何かが失われると思ったほうがいいのだろうか。そうかもしれない。肝臓のことを考えると、初日にぜんぶ飲むのは難しいわけで、うーん、困る。