北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2126】La Pousse d'Or Corton Clos du Roi 2010

 
プス・ドール コルトン クロ・デュ・ロワ
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、コート・ドールの特級のなかではたぶん一番安い価格と思われるコルトン地区のワイン。作り手はヴォルネでよく慣れているプス・ドール。プス・ドールのワインは何かが欠けているというか、飲み口の後半に空洞っぽさがあって万全とは言えないのだけど、高騰著しいブルゴーニュのなかではあまり値上がりしていないこと、入手しやすいこと、それらのおかげで様々な畑のワインや様々なヴィンテージのワインを追跡しやすいことがありがたい。で、わりと最近に同じメーカーのクロ・ド・ラ・ロシュの2010を飲んだので、その比較としてこれをあけてみることにした。 
 
まず色。すっかり赤茶けた感じになってて熟成の進行がうかがわれる。香りは、ほんのりメロンっぽさを伴った赤色果実&チョコレート、それから梅系だけど、それほど香りがぶわーっと来るほどではない。悪くないバランスだとは思うけど、これで特級?と思いたくなる。
 
口に運ぶと、充実した果実感、ブルゴーニュ赤にしては豊かなタンニン。プス・ドールのワインにしては後味まで果実味がしっかり続くほうだとも思う。クロ・ド・ラ・ロシュと比較するとマッシュルーム感や香りがぶわーっと来る感が乏しいし、口に運んだ時のぶわーっと広がる雄大さも足りない。2021年現在、プス・ドールのコルトンとクロ・ド・ラ・ロシュの価格差はかなり大きくなっているけれども(注:以前はそれほど価格差は大きくなかった)、価格差に見合った内容というか、このコルトンは同社のヴォルネ一級たちと比較するのがお似合いという気がする。ヴォルネを意識しながら飲むと、果実味がくっきりとしていて果実味にパンチ力というか、鉄っぽさやトマトスープっぽさがあって違いはあるように思う。格上のワインと比較すると地味かもしれないけど、プス・ドールの悪い癖である中空すっからかん感もこのワインでは著しくないので、割といいように思う。
 
 ※二日目。思ったよりも状態が変わらない。あいかわらずパンチ力があって面白味がある。好みのワインではないけど結構優れていると思う。学びがあった。